他にも番号選択式の自販機もあって、これも缶ジュースからおでん缶、菓子類からチョコからレトルト食品やらかなり雑多に取り扱っていてさっぱり統一性がない。しかも時期によってかなり販売商品の品目が変わるので定期観察しなければ全体像が把握し切れないのもこの自販機コーナーの奥深い所だ。
東日本大震災後はとりわけ備蓄用食品を取り揃えるようになったようで、唐突に防災用非常食セットが箱入りで販売されていたりとかなりおかしい。その左側は「スマイルヨーヨー」290円、その下の段には栗の甘露煮の瓶が390円、テープで繋ぎ止められた駄菓子の詰め合わせなんかも。
自販機コーナーオリジナル「柿ピー」と「パイの実」の詰め合わせ、カップ富士宮焼きそば、チョコレートウエハース、生クリームパイ…という商品に混じってGABANのエスカルゴ(かたつむり)缶が強引に入り込んでいるという無理矢理さ。エスカルゴ缶はAmazonでは690円で買えるようだがここでは1050円と割高だ。
缶詰や保存食が豊富に揃っているのは災害対策を考えてのことのようで「毎日、毎日、地震です 缶詰、長期保存食の準備は有りますか」と黄色テプラで語りかけてくる自販機コーナーの主。その横には「やっぱり新幹線」「やっぱり新幹線」と白テプラ。何かの暗号なんですかこれ。
おでん缶や焼き鳥缶が売られている自販機の下を見ると黄色テプラで「やきとり缶が一番、電話は三番、昭和ですみません」と謎のメッセージが。単なる主人の思いつきなのかお客にひと時のささやかな笑いを提供したかったのか全く不明である。
すっぽん栄養ドリンクが売られている自販機には、そこにも黄色テプラで「すっぽんで2発、赤まむしで3発、4発目は空砲」と何やら卑猥そうな文言が。一体どの客層を狙っての発言なのかますます意味がわからなくなる。
おまけに「馬肉を喰って、人生を駆け抜けよう」ときた。馬肉っぽいものがあったか確認し忘れたが、インドカレーや松茸釜めしの素のレトルト、讃岐うどん、非常食用乾パン、サクマドロップスなど相変わらずジャンルに一貫性がない食品が並べられている。
サクマドロップスに関連して白テプラで「ドロップは、佐久間式、夜は赤羽式です。」と謎のメッセージが二枚続けて貼り付けられている。夜は赤羽式って何ですか。赤羽の外国人パブで遊ぶ事ですか。意味分からなすぎて頭が痛くなってきました。
自販機の奥に挟まれて見えづらくなっていたが、黄色地に黒字の妙な看板も置かれている。「今はまさに戦国時代、勝利に向かっていざ出陣。戦国ポテロングで討手でろ!」とまたしても意味不明なメッセージが。何と戦っているのか何故戦国ポテロングなのか店主がその言葉をつけた理由を考えるのも面倒臭くなってきた。
この黄色看板も複数種類があり、中には物騒でアレなメッセージや警告文も含まれている。「ポップコーンは弾いてもいいですが◯◯は弾いてはだめです」とかもうね…
さらには「ここはトイレではありません」の警告看板もあって客を容赦無く威嚇しまくっている。ここで大便や小便をしたら男女に関係なく顔や身体のいろんな部分の写真と動画が永久に公開されてしまうそうで恐ろしいですね。でも実際に「永久に公開」されている人の姿がないのでまだ何とも言えません。
そして自販機の裏側に貼り付けられていた黄色テプラの文言が…
「自販機に張り紙、いたずらやアートくずれの書き込みをするものは、指20本切り落とす」
指20本切り落とす
「落書きの犯人へ 男女問わず陰部を出刃包丁で切り落とす」
えー、本気のようです。怖いです。具体的な凶器の名前まで出てきました。無差別殺人が起きた秋葉原だけにこの脅し文句はリアルに突き刺さります。そのせいでこの自販機コーナーは場末極まりない空間ながらも落書き一つされていない綺麗な状態を保ち続けているのだ。
ちなみに自販機コーナーの一番奥にはコインロッカーもある。JR駅構内にあるものと比べて100円安く設定されているが利用者は非常に少ない。それこそコインロッカーベイビーズな感じがしなくもないんですが特に異臭はしませんでしたので安心してお使い下さい。電波自販機コーナー、アキバの穴場中の穴場です。
【おまけ】秋葉原でMADなアレな店で有名なのが中央通りの「秋葉原MAD」なんですが、ここのお店と自販機コーナーのセンスからして関係があるのか無いのか色々勘繰ってしまいます。