東京DEEP的秋葉原ヲチ・アキバの日常(2009年)

千代田区

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電気街口を降りた広場の前にも、メイド服の姿が目立つ。渋谷・新宿・池袋という定番の山手三大副都心とは全く違った活気の見せ方をしている街だ。

もはや出尽くした感のあるメイドカフェだが、アキバのメイドカフェは海外の観光案内にまで紹介されてもはや名実ともにアキバ名物として定着しつつあるようだ。

そればかりでなく、メガネスーパーの前では商品紹介をラップ調のリズムで唄いだす名物店員「メガネラッパー」の姿も。

時折こうして自分の写真を売るアイドルちゃんの姿も見かける。どう考えても写真を売るよりも撮られている枚数の方が多いような気がするが彼女らも若気の至りということで。

メイドからアイドル、唯一神まで現れる秋葉原路上パフォーマーの無法ぶり

路上ゲリラライブはアキバ系アイドルに限らず、外国人アーティストによる民俗音楽などもある。毎週休日になると何かやっているといった感じだ。しかし2008年6月の無差別殺傷事件以来は自粛ムードが続いている。

唐突にビラを手渡されたので見てみると「革命的非モテ同盟(革非同)」のビラだった。恋愛資本主義の現体制を粉砕する事を目指した過激派団体。非モテは「フラレタリア階級」だそうです(笑)

単なるネタだとかモテない男のやっかみだと笑うのは簡単だが、恋愛だけに留まらずこの国ではあらゆる生活シーンで銭をぼったくられる仕組みが上手く出来ているものだなと感心させられることは多々ある。

「革非同」はクリスマスやバレンタイン、ホワイトデーなどの「恋人の記念日」とやらには渋谷などの街頭に出てデモ活動を行っている。

露出狂と変態の集まる秋葉原だからこそ選挙の街頭演説もキワモノが集まりやすい。泡沫候補ではもはや常連組に属するドクター中松も出没する始末。

挙句の果てには世界経済共同体党党首で「唯一神」の又吉イエスまで現れるのが秋葉原クオリティ。「腹を切って死ぬべきである」で知られる過激な政見放送でネット上で有名になったキワモノキャラっぷりは相当キテいるが本人は至って紳士的なのが意外な印象。

唯一神と握手&記念撮影まで出来るのが秋葉原という街のDEEPさである。っていうか、集まる人がDEEPなんだよね。

街の「劇場化現象」が最も顕著に進んでいるのがここ秋葉原であり、ケンタッキーのカーネルサンダースまでメイド姿に化けている異常事態。

アキバと言えばメイドというほどお馴染みになってしまった訳だが「アキバのメイドカフェ」で代表的なのが、アットホームカフェ。

メイドカフェそのものは秋葉原周辺では2002年頃に現れたと見られている。

ヴァリアブル・ジオ [DVD]

メイドカフェ出現の予兆としてエロ格ゲー「ヴァリアブル・ジオ」に代表されるファミレスチェーン店のウェイトレスの制服に萌えるヲタ文化があったなどと言われているが、やがてそれをウリにした店舗がコスプレ喫茶として生まれ、その後ウェイトレスの制服からメイド服へと変貌したようだ。

メイドカフェに留まらずメイドリフレ、ひざまくら耳かきなどの癒し系に特化した店も増え始め各々進化しているようだが、中には摘発された「耳かき一発」のような暴走ぶりを見せる業者もあり相当カオスな事情がある。

この手の店は競争も激しいようで、1年経つとどこにどんな店があったか分からなくなるくらい店の入れ替わりが激しいのも特徴。

アキバに寄ったら冥土の土産ならぬメイドの土産などもある。どれもまんべんなくパッケージが恥ずかしいのが特徴だ。

メイドの土産が恥ずかしければ2ちゃんねるグッズを買って帰るのも一つの手であるがこっちはこっちで別の意味で恥ずかしい罠。あんなアングラ掲示板が存在して大丈夫かと「常識の感覚」で疑っていた頃が懐かしい。かれこれ10年間存在し続けている。

中央通り沿いには、中国産食品報道が相次いだ2008年初旬に出来た「ダンボール肉まん」の期間限定店舗があったが現在は違う店になっている。

流行の移り変わりで激しく店の外観も変わるので、あと半年もすれば「俺達の麻生太郎」の姿も消えるかも知れない(笑)

さすが秋葉原、ガンダムヲタ歓喜のバーまである。ZEON軍は赤基調で大人向け、連邦軍は青基調でカジュアルな雰囲気の店のようだ。

「故郷アキバ」(笑)10年一昔というが現在の秋葉原は街全体がオタクと共に生きていく事を決心したかのような素振りを見せている。あの忌まわしい無差別殺傷事件を乗り越えてこの街はどう変わっていくのだろう。


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