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ジャズと盛り場とプロ市民が息づく中央線タウン「阿佐ヶ谷」を歩く (2009年)

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中杉通りやパールセンターなど、住環境の良さから人気の高いエリアである阿佐ヶ谷駅周辺だが、駅のホームから周りを見渡すと、なんだか猥雑で小汚い雑居ビルや木造家屋がちらほら見える。

駅の周辺には、これでもかというほどの数の居酒屋が密集しておりただならぬ気配を見せている。

北東方面を除く、駅からどの方角に行っても居酒屋密集地が待ち構えているのだが、特に駅北西の「スターロード」の密集率が高い。

スターロードにある「あるぽらん」という名前のいかにも中央線系です!といった趣きの居酒屋。入口からしてすでに「中央線系酒場」と書かれているのでしょうがない。中に入ると政治・音楽・演劇もろもろの、随分一世代前のポスターが天井から壁からベタベタ貼り付けられていて目を楽しませてくれる。20年以上この場所で営業している筋金入りの店だ。

あるぽらんの他にも、表にやたらポスターをベタベタ貼り付けている中央線系居酒屋があちこちに点在しているのだ。やけに演劇関連のポスターが多いのは、この街が演劇文化の盛んな土地であることを示している。

スターロードの裏手には、小さな劇場と映画館を備えた「ラピュタ阿佐ヶ谷」なる施設もあり、なにやらマニアックな映画や演劇が毎日繰り広げられており中央線系文化の一翼を担っている。

あと、もうひとつスターロードには名物居酒屋がある。「よるのひるね」という名のカフェバー。基本的には夜7時から開業する昼夜逆転型喫茶店なのだが、怪しげなイベントが時折行われているので見逃してはならない。

特に月一回よるのひるねで行われる「昆虫食のひるべ」では、昆虫食研究家の内山昭一氏を迎えて、ゴキブリやらミールワームやらセミの幼虫やらを料理してみんなで食べるというかなりヤバいイベントもある。

東京DEEP案内はこのクレイジーな集会に潜入取材を決行している。後日掲載する予定なのでお楽しみに。

今度は駅の南西方向に伸びる「一番街」へ。こちらはスターロードほどの密集具合はないが、パチンコ屋が2軒程建っている付近は微妙に戦後のドサクサ臭を放つ。

通りの入口だけ道幅がやたら狭くなっているのだが、そんな所に「小川屋豆腐店」と書かれた物凄いオンボロ物件が建っている。たまに通りがかると布団が干してあったりするので今でも人が住んでいる模様。

その隣には阿佐谷ホープ軒というこれまた味わい深い店構えのラーメン屋。油こってり系で太麺が多いのは東京のラーメン店によくある特徴のように思えるが。

こっち側にも中央線系な居酒屋がちらほらございます。個人経営の小さな店ばかりでありどこもかしこも個性が出まくっている。

居酒屋街ってのは基本的に夜が華やかなのだが、一番街もしかり。この通りでは三ヶ月に一度「大人の縁日」なるイベントが開催されており、その時ばかりは狭い路上が屋台とライブイベントでごった返す。

最後は駅の南西側に伸びる「川端通り」だ。こっち側はチェーン店系居酒屋が豊富だが例に漏れず、小さく怪しげな店が奥の方にこびりついたりしているので侮れない。

その川端通りを過ぎた住宅地には突如周囲の風景と比べても想像しきれない「つり堀」の文字が書かれた看板が…

で、中を覗いてみると本当に釣堀があるのだ。寿々木園という名前のこの釣堀、大正時代からこの場所で営業しているという。その当時は広々とした田園風景の中でのどかに釣りを楽しんでいたのだろうが、今となっては周りをマンションに囲まれた中で釣り糸を垂らすオヤジの真剣な顔。凄まじくシュールな光景が見られる。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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