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ジャズと盛り場とプロ市民が息づく中央線タウン「阿佐ヶ谷」を歩く (2009年)

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緑のトンネルが眩しく清々しい中杉通りをメインストリートとするこの街も、どこぞの下町エリアとは一線を画する、お上品な雰囲気を漂わせてはいるのだが、一方で貧民向けのボロアパートもたくさんあり、見た目以上に色々な人種が住んでいるエリアなのだ。

貧民向けと言えばヒッピー文化のお盛んな隣の高円寺が有名だが、隣接する阿佐ヶ谷もその流れを汲んでいる。多少こちらの方が大人向けな印象だが、この界隈の住宅街を少し散歩してみようかと思う。

基本的に阿佐ヶ谷は駅前の飲食店街を過ぎると、すぐ住宅だらけのエリアに突入する。だから徒歩5分以内の住宅物件がやたら多いのが特徴。家賃相場が高いが、新宿勤務をベースに考えると職住近接でそこそこ良好な住環境を得られる。

しかも結構な割合でディスカウントショップやリサイクルショップがある。土地持ち金持ちも多いが貧乏人もコンスタントに住んでいるので、生活はしやすそうな街に仕上がっている。

確かに注意して観察してると個性的なボロアパートも多い。

売れない芸人が住むのが中野、売れないミュージシャンが住むのが高円寺、売れない役者が住むのが阿佐ヶ谷と、誰が言ったか知らないが、もとから貧乏な文化人が集まる素地がある。だからか知らんが貧乏臭くても悲壮感を感じない。

あと家族連れよりも同棲カップルの方が目立つという奇妙な傾向が見られるのも阿佐ヶ谷の特徴。阿佐ヶ谷で同棲カップルの生活を描いた「美代子阿佐ヶ谷気分」という文学作品(近々映画化される)もあるくらいなんだから多分同棲生活のメッカなのかも知れない。

で、いま阿佐ヶ谷で一番有名なのが芸人のオードリー春日の住む、家賃39000円の風呂なしアパート。貧乏暮らしのネタとしてテレビで何度も放送されまくっているので具体的な住所まで突き止められていてちょっとした観光スポット状態になってしまいそうな具合なのだが。

その近くには「馬橋稲荷神社」という立派な神社がある。

駅北東、河北総合病院に続く道にはやたら年季の入ったオンボロ木造アパートが建っているのを見かけるが、共産党ポスターだらけなのを見て、やはり杉並区民は共産趣味者が多いのだろうかと想像せずにはいられないのだ。

こちらはスターロードの近くにあるやたら社民党全開な造園業者さん。ともかく左翼が元気で元気で。さすが杉並区は一味違うぜ!

貧乏な文化人はたいてい反体制に偏りがちなので、ここいらは昔から共産党や社民党がやたら強い。珍しく阿佐ヶ谷の界隈に限った話、自民とか公明は縮こまってます。阿佐ヶ谷ロフトAに固まっているのもだいたいそっち系だったり。

駅の北東方向には、作家の寺山修司氏が亡くなるまで入院していた「河北総合病院」。この界隈で総合病院としてあるのはここだけ。

さらに駅から離れると閑静な住宅街が続くが、そこに一軒の学校校舎が現れる。

何の学校かと思って見てみたら朝鮮学校だった。東京朝鮮第九初級学校。

そこからさらに先に進むと、先日不審火で全焼した「トトロの家」と呼ばれる古民家がある。三鷹にジブリがあるからか、他にも中央線界隈には西荻窪の住宅地に「トトロの樹」なんてものもある。

トトロの家も地元では保存運動が盛んであったが、何者かの心無い行為の末、今は無残な姿を晒している。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。

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