木更津の花街跡は今も怪しい路地裏のスナック街
寂れ放題のまま気の毒な姿を晒す政府登録国際観光旅館「木更津温泉ホテル」…その真正面に広がる飲食街がかつての木更津における「花街」だというのだ。海に面した風光明媚な土地で美味しい海産物を食べて潮干狩りを楽しんで、夜も…という訳で今でもこの付近はどこか艶かしい街並みだ。
特にスナックやあちら方面の店が密集しているのが木更津温泉ホテルの東側、木更津駅寄りのブロック。これ見よがしな総合案内所もございましてよ。ただ、全く流行っている様子はない。
これ見よがしな店もあればこれ見よがしな電柱広告もあってなかなかカオスな状況を呈している木更津の街並み。千葉県も全体的にアレな感じがするのだが、市川船橋松戸柏といった東京通勤圏のそれとはまた異質の「アレな感じ」がするのだ。
で、これ見よがしな街にはこれ見よがしな如何わしい路地というものがあるのだ。車も通れぬナローストリート、こちらが木更津の色里でございます。寂れてるし規模も小さいけどさ。
こんな目立たない路地裏にびっしりスナックや小料理屋がひしめいているというのが意外。さっきまでの空虚な駅前風景を見た後では少し想像が付かない展開であった。せいぜい50メートルくらいしか続かないのだが、あるっちゃあるんですねこういう所が。
「推薦 明るく楽しい店 木更津市観光協会」の看板もレトロ風味でオツ。
盛り場もまた昭和な景色のまま、今後も変わっていく事はなさそうである。
この怪しい路地裏を突っ切ると「木更津会館」という芸妓見番があって、現在も木更津芸者の生き残りとかがおられるんだそうです。これだけ廃墟タウンになっても文化を失わずに居られる心意気は大事なもんですね。
そんな怪しい路地裏に佇む「旅館美好野」。あまりのロケーションの素晴らしさに息を呑む。ちなみに木更津で「遊郭」というのはここ富士見二丁目ではなく木更津駅から「西北へ約八丁」というお話。「木更津東映」か「みほし館」付近のどっちかだな。まあそんなに厳格に分けられてたようには思えないんですけどねこの雰囲気を感じた限りでは。
同じ千葉県でも船橋あたりだとフィリピンチャイナコリアンばっかりで多国籍化しまくりだが、こちら木更津まで来ると「もうひたすら古い」しか言葉が出てこない盛り場の傾向。古びたレジャービルが富士見通り沿いにそびえる。かつてはフェリーの乗客が立ち寄っていたのだろうか。
また、木更津温泉ホテルの南側から中国人が経営する東京ベイプラザホテルへ向かう路地にも雰囲気の良い飲食街が連なっている。やっぱり中国人団体観光客で賑わってたりしてたんでしょうかね。
こちらも氣志團御用達らしいレトロなカフェバー「ルフラン」。店構えの旧時代的なセンスが容赦無い。手書きの看板にある「踊って歌って、ビデオをみながら」のビデオって何のビデオだろうか一瞬考えこんでしまった。
その近くの川沿いの飲食店も建物がなにやら尋常ではない。上半分蔦まみれである。冬場だから見た目それほどでもないけど、夏場は鬱蒼としてそうだ。
でも手前にある建物の方が蔦まみれ具合では圧倒的に勝っている。ここまで伸ばすのもなかなか難しいと思うんですが、むしろ店自体現役なのかどうか怪しい。
氣志團の街「木更津」ストロー現象
