埼玉県民の日フリー乗車券で埼玉のチベット「秩父」に行ってきた 

秩父市

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西武秩父駅、御花畑駅を抜けて秩父神社の門前通りである番場商店街を抜けた先にはいよいよ秩父総鎮守の秩父神社の鳥居が見えてくるはずだ。

レトロ建築盛りだくさんの商店街だが寂れっぱなしでどうにも淋しいばかりの道を500メートルばかり通り抜ける。昭和の時代までは織物産業やセメント産業で賑わった街の中心だが、それも昔日の出来事であるかのような寂れ方だ。

それでも秩父神社の鳥居前にやってくると、さすがに現在でも街の中心としての威厳を保っている。ちょうど七五三の時期で参拝者は家族連れが圧倒的に多い。

秩父神社境内に入る。七五三の参拝客に加え地元民による市が開かれていて、先程の商店街の寂れっぷりとは打って変わって賑やかな感じ。秩父では今でも神社を中心に街が開けているようだ。

秩父神社は関東でも指折りの古社の一つだが、街の総鎮守であるという以上に本殿や拝殿に施された彫刻が日光東照宮ばりに物凄いという事を聞いていたので、是非この目で見たかったのだ。

秩父神社の本殿は秩父のシンボル武甲山に向き合うように置かれている。古くは秩父神社が武甲山巡拝の聖地として信仰を集めていたと言われ、その武甲山はセメント産業の基幹である石灰石が採れる山として現在も秩父の街に恵みをもたらしている。

拝殿の屋根下を見ると多彩な色合いが施された豪華絢爛な彫刻が見られる。七福神の姿がある。これらの彫刻は江戸時代初期の伝説的彫刻職人・左甚五郎の作品と言われている。

拝殿正面、南側の「子宝・子育ての虎」。現在の社殿は江戸時代の戦乱で武田信玄に焼かれた後、天正20(1592)年に徳川家康によって再建されたもの。寅年・寅の日・寅の刻生まれである家康の威厳を今に伝える。

時計回りに本殿の周囲を見て回る。本殿西側には「お元気三猿」の姿。同じ徳川家康ゆかりの神社だが日光東照宮の三猿「見ざる言わざる聞かざる」とはなぜか真逆で「よく見てよく聞きよく話す」を体現している。

本殿裏側、北側には「北辰の梟」は受験生の信仰を集めるだけあって周囲の絵馬も合格祈願だらけ。受験シーズンが始まる頃には西武鉄道が受験生の参拝を見越して臨時列車「北辰の梟号」を池袋-秩父間を運行する事もある。

最後に本殿東側には「つなぎの龍」と呼ばれる青い龍の彫刻。東の方角を司る四神の一つ。左甚五郎の作と伝えられる豪華絢爛な彫刻の数々はまだまだあるが、是非現地で見て頂きたい。

東京DEEP案内的には何のオチもないが、普通に凄い神社で必見に値する。秩父を訪れたらまず参拝したい神社だ。

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