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競艇場なのに映画ポスターとか謎の大魔神とか…何がやりたいのか意味不明な「江戸川競艇場」が面白い

東京の東の端っこ江戸川区くんだりまで来て中核派アジトを見るだけで帰るのはさすがに味気ないと思い、もう一つ気になっていた「江戸川競艇場」を見に行こうと考えた。

最寄りの都営新宿線船堀駅から無料直通バスに乗ればものの5分もしないうちに江戸川競艇場に辿り着く。この競艇場が他とは少し違うのは、レース場となる水面が実際の河川を使っているところなのだ。
江戸川競艇場の航空写真を見てもらえれば何が変なのかお分かり頂けるだろう。モロに川を有効活用した競艇場なのだ。こんなところは全国探してもここだけらしい。

しかも河口に近いため潮の満ち干きなどもあり水面が不安定なこともあって、競艇選手泣かせのコースとなっている。

江戸川競艇場の入口前にはだだっ広い駐輪場が置かれていた。さすが自転車王国江戸川区。

全国にパチョンコ屋が跋扈する異様な社会ではあるが、一応刑法の縛りが存在する日本においては公営ギャンブル以外の賭博は認められていない建前になっている。公営ギャンブルの種類として、宝くじといった公営くじと、競馬・競艇・競輪・オートレースといった公営競技の2種類に分かれている。公営競技の中では競馬が最もポピュラーな分、他の競技は存在自体あまり語られない節があるように思う。

競艇と言えば忘れてはならないのが笹川良一氏の存在である。日本における競艇の生みの親として全国各地の競艇場には必ずと言って良いほど笹川良一像が置かれている。民族主義派、右翼としても有名、日本の首領と呼ばれた男。

この石像は「笹川良一氏五十九才の時 母八十二歳を背おい御宮参りの姿」とある。

調べれば調べる程どえらい人物なのだが、一般的にはこういうCMが昔流れていた事で知られている。「戸締り用心、火の用心」「一日一善」…笹川氏が創設した日本船舶振興会のCMである。懐かしいのう。

競艇場の前にはギャンブル客目当てに飯と酒を出す古い商店が並んでいる。こういう店では毎日「今日は勝った、負けた」といった話題が年がら年中ループしているものである。

何故か江戸川競艇場の入口には向かい合うように2体の大魔神像が設置されている。著作権を持つ角川映画から許可を取った上に昨年設置されたものだそうで、他にも場内には昭和の映画看板などがずらりと並べられているのだ。

入場料100円を払い2階に上がると、昭和映画看板を意識した、江戸川競艇の看板が現れる。

その先の船券売場に行くと、ここが映画館なのか競艇場なのかよくわからん風景に出くわす。最近、中川の護岸工事を含めて施設のリニューアルを行ったばかりで、場内は全面禁煙、タバコの吸殻はおろか外れ馬券の一つも落ちておらずやけに綺麗だ。おおよそ競艇場のイメージとは全く違う。

でも、やはりそうは言ってもここは公営ギャンブル場であることに変わりはない。暇そうなオッサンどもが新聞片手にレースの予想に血眼になっている姿を見る事ができる。

さらに上の階に行くと広々としたスペースでレースの模様を眺めたり落ち着いて座りながら予想を立てるなりできる。ひとまず暑かったので、無料のドリンクサービスから冷たいお茶を貰い渇いた喉を潤した。

競艇場に留まらず、公営ギャンブル業界は売り上げ減少に悩んでいるそうで、江戸川競艇に大魔神やら映画看板などを置いているのも、運営サイドの苦肉の策なんだとか。(→詳細

しかしそのやり方、大阪のダメポ物件に例えれば、なにわの海の時空館が全然テーマと関係のないスターウォーズ展やコスプレイベントをやるようなもんだな。苦しい懐事情を垣間見た気分だ。

ところでこのイベント告知の看板、先着600食で定価750円の豚もつ煮込みを100円で提供とは…太っ腹過ぎる。

2階部分からレース場に近づく事が出来るのだが、すぐ目の前が中川という河川になっていてその手前は普通に川の堤防の階段である。つまり川の堤防がスタンドになっているわけだ。

この風景だけ見るととても競艇場の中だとは思えない作りをしてるんですが相変わらずお客さんはオッサンばっかりなので大して変な事はない。

スタンドに向き合う中川と、その向こうの荒川を挟むように首都高中央環状線が走っている。

レースが始まるといよいよオッサンどもの顔つきが真剣になる。私は船券を買わずにしばらく観戦を続けていた。

日本に競艇場は全24ヶ所あり、首都圏では江戸川競艇の他に大田区の平和島、府中市の多摩川、埼玉の戸田などがあり、競艇場外発売場「ボートピア」が横浜の寿町と千葉の津田沼にそれぞれある。いずれも微妙な場所ばかりで笑える。

他にも、ここだけは見ておいた方が良いという公営ギャンブル場があれば情報が欲しいのでお待ちしとります。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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