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【東京駅から4分の衝撃】東京海洋大学以外に何もない街、JR都区内で最も乗降客数が少ない「越中島」にも迫るマンション開発の波

2020年開催予定の東京五輪を前にボコボコと開発が進む湾岸地域。とりわけ豊洲や勝どき、佃島あたりはタワマンだらけになってしまっていてどうにも派手派手しいのだが、そうした地域に囲まれていて、なおかつ鉄道駅も通っているにも関わらず、これまでちっとも開発が進まなかった場所がある。江東区の「越中島」である。

越中島…それはJR東京駅からたったの二駅、片道4分というド都心エリアに立地していながらも、これまで全く日の目を見る事もなかった超絶マイナーゾーンの一つに甘んじていた街。東京駅から二駅と言っても、そこって「京葉線」ですからね。こんな街なんか全く知らない人も多いかも、ですよね。

JR都区内乗降客数ワーストワン「越中島駅」をよろしくお願いします

JR越中島駅は1990年の京葉線開通時から開業している駅だが、JRの都区内にある鉄道駅の中でダントツの乗降客数ワーストワンを誇っている。2016年で乗降客数5229人。これは同じJRでは横浜線の片倉駅、中央本線の上野原駅などと同程度である。ハッキリ言って田舎の駅レベル。

乗降客数があまりに少ない故に電車の停車時間が短く、発車メロディーが1、2秒で切られる事から一部の鉄道マニアの間では「即切りの聖地」と呼ばれている。ていうか駅ホーム、マジで誰も居ないんですけど。

越中島駅の改札を出る。ホームも改札も全て地下にあるが、改札階もやはり通行人の姿はまばらである。個人的に都内寂しい駅ランキングを挙げるとすれば、JR線では潮見駅と尾久駅、東武伊勢崎線では堀切駅と小菅駅あたりと並ぶ存在だ。

越中島駅から地上に出ると「東京海洋大学」しかない

駅を出て地上に上がると、そこには街を東西に横切る「越中島通り」が走っている。駅前にはスーパーや飲食店どころか、なんとコンビニの一軒すらない。マジで何も無い駅なんですが、本当にここ、たとえ京葉線の駅であるとは言えども、よもや東京駅から片道4分で来れる場所とは到底思えないくらいのテンションである。

なぜならJR越中島駅自体や越中島通りが「東京海洋大学」越中島キャンパスのど真ん中にあり、大学以外何も無いからというのが一番の理由になっている。前身の東京商船大学・東京水産大学の統合により2003年から開学しているが、明治時代から120年以上の歴史を誇る、海洋専門の国立大学である。

駅の入口すら地味すぎるのが越中島駅という存在なのであるが、その一部の出入口は2007年に東京海洋大学の敷地が売却されたもので、その時にエレベーターが設置されているのだが、それ以前はエレベーターすらない不便な駅だった。現在も改札階から地上へのエスカレーターの設置はされていない。

ご立派な東京海洋大学の建物も間近に見られるわけですが、利用者が少ない越中島駅と言えども、ここの生徒の通学利用がまずある。卒業生は航海士だったり商船会社勤務とかになるのだが、地味ながらも海洋国家ニッポンの人材育成の礎になっているわけで。

ちなみに江東区越中島二丁目の大部分が東京海洋大学の敷地になっていて、残る一丁目と三丁目、二丁目のごく一部が住宅地域もしくは倉庫街となっている。

明治時代に建てられ国登録有形文化財指定を受けている東京海洋大学敷地内の「第一・第二観測台」も清澄通り側から拝む事ができる。越中島通りとT字交差する清澄通りに出れば、都バス路線もあって門前仲町や月島方面にもすぐ出られるし徒歩でのアクセスも可能な程に近い。

越中島、実は「門前仲町から徒歩10分」

越中島エリアと呼べるのは駅前から続く「越中島通り」沿いにほぼ集約されている。先述したようにスーパーもコンビニも食い物屋もろくにない不便極まりない土地だが、実は東西線・大江戸線門前仲町駅からは近く、徒歩であればせいぜい片道10分ちょいで辿り着ける。

そんな地理的条件もあってか、越中島通り沿いにいくつかあるマンションの名前には越中島ではなく「門前仲町」の地名がつけられているものもある。知名度的には圧倒的に門前仲町を名乗った方が有利であろう。しかし越中島側の宅地はごく一握りで、他は倉庫街や福山通運のどでかい建物があるくらい。

あと越中島と言えば「スポーツニッポン新聞社」が鎮座している街でもある。足元を走る京葉線にも直結する武蔵野線に乗っているようなギャンブルオヤジ御用達の愛読誌もこんな場所で作られているんですね。

福山通運の巨大トラックターミナルが街のランドマークです

越中島三丁目まで来ると「福山通運東京支店」の巨大な建物が現れる。2017年1月から営業開始しているトラックターミナル、地価の高い都心部でこの手の大型トラックターミナルが新設されるは珍しい出来事のようにも思える。

ただのトラックターミナルかと思いきや、同じ建物内に大戸屋やミニストップの店舗が並んでいる。まあ恐らくは福山通運社員の利便性を図っているものと思われるが、これまでろくな店がない越中島にお住まいの近隣住民もようやくまともな食い物屋やコンビニが出来たと喜べる状況が生まれているように傍目から見れば思えるが…

福山通運に隣接する「UR越中島三丁目ハイツ」の住民が猛烈に怒りまくっていて、団地の壁を使ってデカデカと抗議しているという、穏やかではない光景も見られるのだ。巨大トラックターミナルの屋上にトラック210台が駐車され、その排気ガスや騒音、交通事故のリスクが高まった事に対して怒っているのだろうが…

そもそも「環境破壊」というお決まりの文句を出すような環境とは到底思えないのが越中島エリア。元々からガチな工業地帯で、そうした場所で暮らしていた低所得者層が居住する、このような都営住宅がメインの場所でもあった。隣の塩浜や枝川、豊洲だってみんなそういう地域だったはず。近年までさっぱり開発されなかった理由というものがそれなりにあるわけで。

越中島にも野村不動産プラウドシティが来ましたか

だが、隣の潮見同様、これまで工業地帯や倉庫街で全く住宅街として見做されなかったような場所にも大型マンションの建設が始まっている。どれだけ酷い環境だったとしてもここは「東京駅から京葉線で4分」という圧倒的な好立地にある街。今までマンションの建設が進まなかった事自体が奇跡である。

絶賛宣伝中の「プラウドシティ越中島」。ネームバリューの高い門前仲町ではなく、あえて「越中島」の地名を冠した、野村不動産が満を持して展開する高級マンションが目下のところ建設中。「駅徒歩4分」と触れているが、地下深い事で評判のある京葉線のホームまでは7-8分くらい掛かる。

3LDKで5400万円台とやはり強気な価格設定だが、東京駅からの直線距離はわずか3キロ、都心からの距離を考えるとこの価格は最安値ではなかろうか。こんな何もない街でどう暮らせと思うんですが、もしかしてあと数年もすれば、この界隈も豊洲みたいに化けてしまうんでしょうかね。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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