どうぞ、お好きなSNSで拡散して下さい

船橋市南本町44番地「都疎浜」のバラック群が見たくて 

<3ページ目を読む

船橋港からの水路「山谷澪」が引かれた跡が今に残る一帯、裏側に回ると散歩道と呼べる程度の「土手」が続いていて、船橋駅方面にそのまま抜ける事ができる。春には桜が開花してそれなりに美しい光景を見せる場所だ。

今では人の住んでいない家が殆どと言われているバラック群だが、裏側から見ると鍋などの家財道具やバルコニーが見える。生活の臭いはすぐ目の前に感じられる。

どこがベランダなのかよく分からないバラック小屋だが、きちんと洗濯物が干されているのが見える。ここからだと見えづらいが、川べりにはちょっとした農園も作られていて、多少の食糧は自給自足で賄っているようである。こんな生活憧れるよな。ある意味。

しかし目の前の水路と建物全体のオンボロ具合を見ているととても人がまともに住むような家ではないという事が分かる。きっと年老いた住人が一人で住んでいるとか、そういった感じだろうか。そんな厭世感漂う家って結構あちこちにある。

だがそんな家々を見下ろすように立ちはだかるタワーマンションの姿が対照的。首都圏は一極集中と人口増加によって街の新陳代謝が未だに激しい。もう数年すると都疎浜のバラック群も潰れてこのタワーマンションにお似合いの綺麗な遊歩道が出来上がっているかも知れない。

植物に覆われて対岸の家が見えなくなっている場所も多い。人はそうとも限らないが植物は大抵どんな所でも元気に育つ。

ここからではあちこち葦に阻まれて見えづらいが、家の土台は川の土手に支えられた柱だけに限られている。確かにこれでは柱が腐った時点で家が倒れるのは当然の事だ。

大量の家財やガラクタが捨てられたバラック民家のバルコニー。これらの家も時間が経つと他と同じように倒壊するに違いない。

バルコニーに置かれた放置状態の鉢植え。枯れるものもあれば伸び放題になっているものもある。このバラック小屋の住人はいずれも「立つ鳥跡を濁さず」という諺を知らないのだろう。

倒壊したまま放置されている民家、表から見ると別アングルでさらに悲惨な状態が目に付く。

山谷澪は千葉街道の手前で終わる。あとはタクシー会社の車庫や立体駐車場などが広がる。このタクシー会社というのも実にDEEP物件らしい。

この凄まじいバラック民家群からタワーマンションを挟んだ向かい側、直線距離約100メートルの近所にあるのが人口60万人を誇る船橋市役所だ。ここまで極端な落差を見せる街の存在も珍しい。


The following two tabs change content below.
東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
トップへ戻る
Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.