戦前は花街、戦後は風俗街、そんな五反田の街の怪しさを盛り立てている中心的存在が、駅東口一帯に広がる「五反田有楽街」だ。
桜田通り側から有楽街の入口を眺めると、通りの左右にいかにもなネオンサインが置かれているのが見える。
左側に「五反田」、右側に「有楽街」。見る限りはかなり古いネオンサインだが、まるで赤線地帯のそれを思わせるのは花街時代の名残りなのか、たまたまなのか。
淫靡なネオンサインが際立つ五反田有楽街の入口を除けば、桜田通り沿いを見るとことごとくオフィスビルだらけで、ヨコシマな光景とはつくづく無縁の街並みが続く。
しかしこのオフィスビル、名前が「電波ビル」だ。
だからといって別に電波がゆんゆんしているわけでもなく、エレクトロニクス業界紙である電波新聞社のビルであるだけだ。五反田がソニーなど電子部品メーカーのお膝元であるという関係で、こうした専門誌のオフィスも置かれているというわけ。
意気揚々と五反田有楽街の中へ突入するが、桜田通り側から入るとそれらしき店は全く見当たらない。むしろオフィスビルが多い事に気がつく。少し拍子抜けしたが、どうやらこの通り沿いではなかったらしい。
やがて、角地に建つ一軒の大衆酒場をキーポイントに、右に折れた筋の向こうに怪しい街並みが広がっていた。
居酒屋やホルモン屋、焼肉屋などに混じって風俗店がちらほら並んでいるのが見える。
やっぱり風俗街と言えば焼肉屋がセットだ。しかも朝8時まで営業中という強気のスタイルは何なんだろう。この「一番館」を始めとして、有楽街一帯には焼肉屋と韓国料理店が非常に多い。
そしてお約束の無料案内所。やはり有楽街は夜の大人の遊び場だった。
それどころか有楽街一帯には4~5店舗ほど無料案内所があって、さらに路上を観察していると暇そうに突っ立ってる客引きのオッサンが2~3人で固まっていて、日が暮れる前から殺伐感に満ちている。五反田ではボッタクリ店が多いと悪評も立っている。男性諸君は注意をば。
無料案内所の真正面にはでかい店構えのピンサロ「世界に一つだけの花」。
そういえばこのタイトルを付けた歌が流行ったが、「世界に一つだけ」「花」というキーワードが特定民族の胸を熱くするのか、経営者がこのネーミングを好んで付けたのかも知れない。ハナと言えばあの国の言葉で「一つ」だからな。
ちなみにこの店は川崎堀之内にある某店の系列店だそうだ。
そんなピンサロが入居するビルの真上にはパチンコ屋のネオンサインがでかでかと搭載されている。やっぱり経営的に繋がってるんでしょうか。
他にも雀荘やフィリピンパブ、韓国式エステなどが雑居ビルにひしめき合い、まさに男の楽園状態と化している。
ついでに向かいのビルにも韓国料理店がもう一軒。やっぱり風俗街にはコリアタウンが付き物なのか。