西の歌舞伎町と呼ばれていたらしい「八王子駅前」の怪しい街並み(2009年)

八王子市

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JR八王子駅前から西側一帯の「三崎町」は、西放射線通りを中心とした人の流れからは取り残されて、不気味な佇まいを見せる風俗街だ。

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人でごった返す八王子駅前にそびえるパチンコ屋「PIA」を潜り抜けるとギラギラとした歓楽街が現れるが、その裏へ抜けると一転して駅前とは思えない陰鬱な裏通りが現れる。

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歌舞伎町の取り締まりが厳しくなった頃に八王子や町田などの郊外に違法風俗店がこぞって移転し、八王子と町田の二つの歓楽街は「西の歌舞伎町」とも呼ばれた時期があったそうだ。

だが、それも郊外へ取り締まりの手が伸びた事によって、八王子駅前の三崎町一帯は見ての通りのゴーストタウン同然の姿に変わってしまっている。どうやら西川口や黄金町などと同じ運命を辿っているようである。

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駅前であるにも関わらずこの一画だけに人通りが全くない。廃屋同然の民家とコインパーキング。つまりはそういう土地なのだろう。

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しかしそんな裏寂れた街に煌々と明かりが灯る店がある。

「いやし処 回春アロマ ゆめごこち」

回春アロマとは何だ?

どうしても隣の居酒屋「御用」が目に入るが、この土地の事を暗に皮肉っているのではなかろうかと勘ぐってしまいそうになる(笑)

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表の看板を見ると「日本人」とわざわざ断り書きが書かれているのがさらに怪しさを誘う。よくあるタイプの中国整体や台湾エステやタイ古式マッサージなどの外国人系マッサージ店とは一線を画しているのかよくわからんが「回春」の文字が気になって仕方が無い。

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だがこの店は入り口にまで「風俗店ではありません」と断り書きを入れている所が笑える。料金設定から見るとどう見てもソッチ系としか考えられないのだが…

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謎の「回春アロマいやし処」からパチンコビルとJRの線路に挟まれた路地を進むと唐突に現れる「多摩相互病院」の建物。病院が建っている場所のロケーションからして異様な雰囲気を感じたが、実は昭和初期から開設されている歴史の長い病院だった。

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次は駅の反対側の南口に回る事にした。北口とは正反対で本当に何もない寂れた景色が現れる。先ほどの多摩相互病院の赤いネオンサインと建物が駅前の景色に微妙なアクセントを与えている。

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八王子南口は再開発事業の真っ只中で、駅前には大型マンションの建設作業が行われている最中だ。駅構内の通路で繋がれている以外では全くもって北と南で街がJRの線路によって分断されている。工事中なのもあってか知らないが夜ともなるとただでさえ何も無い駅前なのに真っ暗になってしまい不気味さに拍車が掛かる。

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南口にも「商店街」があることにはあるが、そこは地方の過疎化が進んだ田舎町の駅前のような風情だ。八王子ほど駅の表裏の格差が激しい場所はあまり存在しない。

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商店街の突き当りまで行くとようやく飲食店らしいものが現れる。それは個人営業のそば屋と焼肉屋だった。八王子駅南口には本当に「駅前らしさ」が何もないのだ。
我々は目の前の連絡通路を伝って再び北口の繁華街に戻ることにした。


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