旗の台駅周辺の路地裏商店街の数々はなかなか見応えのある物件ばかりだったが、最後は大井町線改札に近い側の「稲荷通り」で締めたいと思う。
真新しい真っ赤なアーチが映える旗の台の稲荷通りは、その名の通り商店街の一番向こう側に稲荷神社があることからそう名付けられている。やはり他の商店街と同じように下町テイストは共通しているが、駅前商店街の中では最も街外れ的な感じがする。
池上線の線路にへばりつくように建つ変則的三角形の2階建て飲食店ビルにまたしても昭和の匂い。焼き鳥屋が1階にあって、スナック喫茶が2階にある。店の名前が「フォックス」なのはお稲荷さんにあやかっているのだろうか。無駄に英語使ってみたかったんでしょうね。店の下に英語塾もあるし。
他の商店街と比べると明らかにしょぼい印象の稲荷通りだが、人通りはそこそこ多い。200メートル程商店街を西に進むと中原街道と合流し、その先に高級住宅街らしき旗の台六丁目などがある。
商店街自体にあまりツッコミどころが見つかりそうにないので、こういう時は商店街を外れて脇道を進む事にする。そこにのっけから平屋建てのボロ家屋が現れる。戦後から一切生活スタイル崩してませんと言わんばかりだ。
そのボロ家屋の横は原住民の生活道路となっているらしくその奥の住宅地に生活している住民がこの路地を通り抜けて稲荷通りとの間を行き来している様子。
左側一面ずっとボロ家屋の土地だろうか、家庭菜園とも庭とも言えないような微妙な土地が住宅街の谷間にあって、周囲の家々もどこか古臭さが否めない。人がすれ違うのがやっとの路地をさらに抜けていく。
するとその裏にもアパートや一軒家がずらずらと姿を現すのだが、やけに公明党ポスターだらけのアパートまであったりして香ばしい。ここに入居したら家主にうるさく折伏攻撃されるのでしょうかねやっぱり。
路地を抜けた突き当たりのT字路正面には眩しいオレンジ色の建物「品川区立旗の台文化センター・児童センター」。保育園を併設している為か子供の声が建物の中から響いている。
旗の台文化センターの建物を右に折れてそのまま路地を突っ切ると再び稲荷通りに合流する。猫の額のような狭いコインパーキングに隣接して商店街の裏側のオンボロ家屋が丸見えになっていた。
ここまで来ると稲荷通りの端にあたる。さっきのオンボロ物件は古い定食屋の建物だった。どこか寂れた印象が拭えない。
中原街道の近くに商店街の名前通りの「旗の台稲荷神社」の入口があった。真っ赤な鳥居に街灯が置かれていて、嫌でも目に付く。
ビルの谷間の路地にひっそりと佇む稲荷神社。境内と言えるほどでもない狭い土地には立派なイチョウの樹がニョキニョキと生えている。
全国の稲荷神社は京都の伏見稲荷大社を勧請しているものだが、ここ旗の台の稲荷神社は京都伏見と同じ「伏見稲荷」の名前を冠している。小さな街のお稲荷さん。
神社へのお参りを済まし商店街に戻ると、すぐ目の前には中原街道が走っている。また大きな赤い商店街のアーチが置かれていた。夕焼けに映えて眩しい赤である。
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