上野の“戦後”が生々しく残るコリアタウン「東上野キムチ横丁」(2008年)

台東区

これでもかと関西各所のコリアタウンを渡り歩いてきた「大阪DEEP案内」は東京に来ても、やはりコリアタウンを探し回っているのだ。

日本の首都は東京でも「在日」の首都は大阪民国だと常々言ってはおるが、東京だって負けてはいないさ。大阪府が15万人ならば東京都だって10万人もの在日韓国朝鮮人が居るのだ。

東京は新大久保あたりがどうしても目立つのだが、あそこはニューカマー系ばかりが目立ち、どちらかというと「在日」という香りがしない。

東京で最も大規模なオールドカマー系コリアタウンはなんと言っても台東区・荒川区にまたがる、上野から鶯谷、日暮里、三河島と続く一帯である。特に上野と言えば「アメ横」を代表として、なにやら「戦後のドサクサ臭」が漂う街並みが印象的な界隈だ。

その中でも東上野の一角にある「キムチ横丁」と呼ばれる場所は、小規模ながらもかなり強烈なオールドカマー系コリアタウンである。

夕方、日も落ちるか落ちないかの時間に寄りつくと、日本のそれとはかなり雰囲気が違う独特のネオン街があることに気がつくだろう。そこが東上野キムチ横丁だ。

古い呼び方では「国際親善マーケット」ともいう。まるで鶴橋みたいです。

その名の通り、鶴橋の駅前とどこがどう違うのか説明がつかない状況です。焼肉屋や韓国料理店が密集するのはもちろん、食材を仕入れているであろう肉屋や韓国食材の店も密集している。ここが紛う事もない、東京の鶴橋だ。

ピースボートのポスターが律儀に貼られている所までもが一緒である。

決してエリアとしては鶴橋なんぞと比較にならんほど小さいのだが、密度が濃いのだ。

そして、思わずそそられてしまいそうな裏路地。そこには焼肉屋が密集している。

東京指折りのターミナル駅「上野」に程近いにも関わらず、人通りはさほど多くない。そのことが逆に、鶴橋のような「観光地化」を押し留めているようにも感じる。

日が暮れると裏路地はこの通り。もうたまりません。

東上野キムチ横丁、ちょっとしたプチ九龍城砦状態です。
壁にニンニクの臭いが染み付いています。

ご丁寧に設置された公衆トイレの扉にも、またもやピースボートのポスターが。

ここは恐らく「戦後」から時が止まったままなのだろう。

ご年配方にしてみれば、焼け野原の上に立ち並ぶバラックの裏路地で密造のマッコリを煽りながらホルモンを食っていた時代と何も変わらない風景が思い浮かんでくるに違いない。人がすれ違うのもやっとの細い路地にある焼肉屋。そこに間違いなくソウルフードの文化がある。

ソウルはソウルでも韓国のソウルね。名前もそのまんま「ソウル」という名前の韓国料理店で夕食にする。

サムギョプサル(豚バラ肉)がお勧めだとしつこく言われましたが、鶴橋に居ても上野に居ても「韓国人」のノリは一緒なんだなぁと強く感じる。くどいくらいにお節介。

韓国製無煙ロースターを使用しているが、今回は2人組で店に来たので使わず、カセットコンロで肉を焼く事になりましたとさ。

そしてこの店には「ポシンタン」がメニューにあることをしっかり確認した。

「知る人ぞ知る韓国一のスタミナ料理」wwww

東京でもコリアタウンに行けば犬肉を食えるということがこれではっきりした。

サムギョプサル二人前、サムゲタン(小)、生中一杯、しめて3500円也。こんなもんか。ポシンタンはやめときました。

東京のコリアタウンも侮れない。

東上野キムチ横丁へ、足を伸ばしてみては。


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