すっかり日本にも根付いた異国で異教徒の風習、10月末にはハロウィン、12月25日までにはクリスマスの飾り物が街角にわっさわさと飾られる光景も今や当たり前のものとなった訳ですが…
とある方からのタレコミで知ったのだが、杉並区の方南町では毎年11月18日に面白いものが飾られると聞いてやってきました。方南町と言えば、丸ノ内線が中野坂上から枝分かれして伸びる盲腸線の先っぽにある駅ですね。まああんまり用事も無さそうな場所です。
地下鉄方南町駅を出て地上へ上がると、環七を跨った東西に商店街があり、そのうち東側に「方南銀座商店街」がある。環七に近い側は新宿中村屋とか、オリジン弁当とか、吉野家とか、まあありきたりな店が並んでるんですが…
店先にはどこかで見たような青、黄、赤の三色旗が堂々と掲げられているのである。それも一つの店だけではない。あちらこちらにだ。
あの世界的牛丼チェーンであるはずの吉野家の店先までも三色旗が飾られている…一体この街はどうなってしまったのか、つーか企業的にこれはOKなんでしょうか、そっちの方が気になります。
吉野家といいファミリーマートといい、どれもこれも見慣れたトリコロールフラッグに占拠され街中はクリスマスムードならぬルーマニアムード一色。方南町民にとってのサンタクロースは池田大先生なのであろうか。
おまけに「串カツ田中」まで三色旗掲げてますけど、たまたま見かけた客には創価系列かと勘違いされないんですかこれ。
その他、オリジン弁当の店先も含めて、かなりの割合で店先に手旗サイズの三色旗がそれぞれ掲げられ、祝日に軒先で日の丸を掲げるように、創価学会の何かを祝う意味合いが込められているようだ。
決してここは学会本拠地、新宿区信濃町の商店街ではありません。杉並区の方南町という所です。「ほうなんちょう」と読みます。そうか、そうか、ほーなんだ。でも、方南町に学会の施設ってあったっけ?
方南町と言えば近くに立正佼成会の大聖堂があるので、むしろそっちのイメージが強かったんですが、確か創価学会と立正佼成会って対立関係にあるんですね。そのことと方南町の商店街が三色旗だらけなのと因果関係は不明ですが…
どうやらこの珍現象、11月18日という日付に関係があって、この日は創価学会の前身である創価教育学会が創立された日にあたる。昭和5(1930)年11月18日。その当時の本部が方南町にあったとか何とか、そういう関係からこうなっているらしいですよ。
方南銀座商店街の途中からある方南中央通りに入ると、さらに三色旗率が跳ね上がる。ちょっと見た目にも異様で、この三色旗が何の旗なのか理解のある人間から見ればどんな印象を受けるだろう。
これらの旗は11月18日だけ一日中商店街に掲げられ、それが過ぎるとすぐ取り外されるらしい。一年に一度しか見られない光景。さらに方南町なんて他所の人間はなかなか足を運ばない。ネット上で情報があまり見られないのもそうした事情と関係がありそうだ。
方南町の商店街がまるごと学会の傘下という訳ではなく、あくまで商店主一人一人に学会員が訪問して「一日だけ旗を飾らせてくれ」とお願いして回っているらしい。中には三色旗が掛かっていない店もあって、そういう店は宗教的にダメだったりするんだろう。しかしこんなのやってるなんて、信濃町以外では知りませんでしたよ?
よく見りゃ「方南中央通り」の入口の横断幕も青、黄、赤の三色だった…そうか、そうか、ほーなんだ…