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市川の梨園地帯に鎮座するヤンキーDQN仕様な巨大ゲーセン「大慶園遊園地」

「ゲームセンター」という空間、今でこそ真新しく綺麗な場所が増えて昔のイメージからは遠ざかりつつあるが、それこそインベーダーゲームが流行っていた頃から90年代までのそれというのは、不良の溜まり場のイメージが強く絶えず不穏な空気が漂っていた。そういう意味では古いゲームセンターの存在もこの時代においてはわざわざ見に行く価値があるのかも知れない。

千葉県市川市にちょっと変わったゲームセンターがあると耳にした。場所は市川市の北部、国道464号「大町梨街道」などと呼ばれている一帯だ。ここまで来ると市川というよりも松戸や鎌ヶ谷に近くなる。市川市は関東屈指の梨生産地である。近頃ふなっしーが出しゃばり過ぎているので、船橋よりも梨生産量の多い市川が割を食っているとか何とか。まあいい。こんな梨園しかない場所にあるゲームセンターって何なんだよと半信半疑でやってきたが…

カーナビに従ってやってきた所は「市川霊園」のすぐ近く。梨園と霊園に囲まれた雑木林の中に突然だだっ広い駐車場を備えた敷地が現れる。びっしり車が停められていて、随分賑わっている。最寄り駅は武蔵野線の市川大野駅だが、こんな辺鄙な場所にあっては「車での来場」が前提になる。どうもこのゲームセンター、市川・松戸・鎌ヶ谷などの一帯では知らない人は居ないくらい有名な場所なのだという。

市川市 大慶園

駐車場の傍らの法面にはオーナーのコレクションであると見られるヘリコプターの部品などが固定され展示?されているのである。この先にもオーナーの妙なこだわりがちょいちょい見受けられる訳ですが、のっけから趣味の世界が始まってます。

市川市 大慶園

半透明のアクリル板のようなもので覆われた立体ガレージには真っ赤なフェラーリが上下に二台停められている。随分バブリーなご趣味をお持ちのようである。場所の空気も含めて全体的に90年代テイストな感じが強いです。

市川市 大慶園

駐車場に車を止めてからゲームセンターがある区画までも結構長い。建物や法面にアメリカンなセンスのロゴやよく分からない文字列が塗りつけられている。これもオーナーの趣味か。それにしてもこんな場所が市川にあったなんて、知らなかった。千葉県のアミューズメントスポットはディズニーランド一人勝ちだと思っていたが、そんな事はない。結構な大繁盛だ。客層はかなり違ってますが。

市川市 大慶園

このゲームセンターの名は「大慶園遊園地」。まるで焼肉屋か、はたまた中国の偽物キャラテーマパークのような名前だが、オーナーが梨園の経営者なのでこのような名前になっているというのだ。途中にあるゲートには「入場料¥100」の表記があるが、お金を支払うまでもなく出入りは自由である。なんだか適当過ぎてよく分からんし、みんな勝手に出入りしている。

ゲートの内側にはこれまた広いスペースが確保されている。スペースの中央にはヘリポートと思しき「マルにH」のラインが敷かれている。奥にはヘリコプターの車庫らしきものまで見える。どうやらここのオーナー、ヘリコプターまで自前で所有しているらしい。どんだけバブリーやねん…ヘリポートを普段使っていない時間帯は、スケートボード広場になっている。

市川市 大慶園

オーナーの趣味でとことん突っ走っちゃった感があるぶん面白い場所なのだが、そんな大慶園の特徴は堂々の「24時間営業」という事。周囲に民家がないので好き勝手できるらしい。夜中に来たらカオスそうだな。それこそヤンキーの溜まり場になっていそうである。

市川市 大慶園

それに敷地内を歩いていて気づく事だが、兎にも角にも「UFOキャッチャー」がめちゃめちゃ多いのだ。建物の外にまで大量に溢れ出ている状態。これを子供連れやカップルなどが適当に遊んでいく風景が見られる。

市川市 大慶園

このUFOキャッチャーだけでも大慶園では優に100台近くは設置されているのではなかろうか。流行りもののふなっしーだのくまモンといった人形は定番過ぎてもはやどうでもいい訳なのだが、ちょっと置いてあるものが色々と変なのだ。

市川市 大慶園

大慶園のUFOキャッチャーの景品には「食品」の類がやけに多い。これだって即席麺の「キリンラーメン」という愛知西三河ローカルのレトロなやつだったりするのだが至る所で復刻版がステマられてますね。他にも駄菓子即席麺の定番「ブタメン」などもあります。

市川市 大慶園

食品類は他にもカルビーのポテトチップスや暴君ハバネロといった底辺キッズ好みのスナック菓子も勢揃い。ゲーセンで遊んで腹が減ったら食料はUFOキャッチャーで調達しろという事か。だがアームが絶望的に弱いので、やってみたけど全然取れません。ああ、こっちが下手なだけなのか?

まあ食い物は店内でも一応販売してるみたいですが「UFOキャッチャーの景品だけで夕飯を調達する」という縛りプレイをやってみたいと思います。半ばヤケになってます。

そんなこんなでUFOキャッチャーに1000円注ぎ込んで、ようやくゲットできたのが「ブタメン」4個セットでした。腹が減ったので備え付けられている電気ポットに入れてその場で全部食いました。これぞ博打で身を滅ぼす貧乏人的行動パターンのドツボである。異常に塩辛い即席麺を4つも胃袋に流し込んで(2人で手分けしたけど)、確実に身体と財布の中身を傷めたに違いありませんが、賭け事に金を注ぎ込んで破綻する家族の心境が少し分かった気がしなくもない。

市川市 大慶園

他のUFOキャッチャーコーナーでは何故か「全国銘菓のれん街」と銘打って山梨名物の銘菓・桔梗屋の桔梗信玄餅や信玄桃が景品として置かれていた。ナマ物ですよこれ?賞味期限切らせて余ったらどうするんだろうな。太っ腹なのか何なのか突っ込みどころがよく分からないが、これも500円注ぎ込んで全然取れなかった。下手なだけだってわかってますよ。ええ。

市川市 大慶園

これも食い物…と思ったら違った。生きたウーパールーパーやカブトムシが景品になっていたのだ。昭和のウーパールーパーブームって覚えてますかね。お茶の間のスターダムにのし上がったあの時から思えばマイナーな存在になりましたね。今ではコイツの唐揚げとか食える場所もあるし、まるで売れなくなった女優が落ちてA…いや何でもない。さすがにアームで直接取るのではなく、当たり札を取って店員に交換してもらう、という方式らしいです。景品としてゲットしたウーパー君は育てるも食うも君の自由だ!

市川市 大慶園

だがUFOキャッチャーの景品は食料品ばかりでは終わらない。玩具類も豊富である。かんたんどこでもハンディーマッサージャー・フェアリーミニ。いわゆる小伝馬町である。大慶園と同じDQNの溜まり場ドン・キホーテでは3980円とかで売られているやつです。良い子の皆さん、正しい用途はお父さんお母さんに聞きましょう。

市川市 大慶園

他にも一体どこに需要があるのかわからないUSBリモコンで動くゴキブリといとい。プライズゲーム類はどう見ても取れなさそうなのも多いので、台数の割には遊んでいる客も少ないし、あんまり商売としては上手く行ってない気がするとは傍から見て思うのだが、ところがどっこい儲かるらしいんですね…大体景品のお値段は一般的な市販価格で2~3千円くらいのものが多い気がする。

大量のUFOキャッチャー群が面白すぎるのでそればっかり見ていたが、他の部分はこんな感じ。とにかく広大過ぎてキャパシティが半端ない。これで24時間営業だったら夜中の客層がさぞかしヤバそうですが我々は夜8時くらいで大人しく帰りましたので…

あと大慶園で特徴的なのがこれ。屋内サーキット。アメリカからの輸入車両を使った本格的スリックカートが1人乗り500円、2人乗り800円のお手軽価格でお楽しみになれるそうです。傍らにあるベンチに座ってさっきUFOキャッチャーで拾ったブタメンなんぞを食いながらレースを眺められます。

階段を上がって2階部分から屋内サーキットを眺めるとこの通り。ここでも天井からヘリコプターが吊り下げられてたりする。どれだけ個人の趣味で金掛けたんだろうと感心させられるが、我々がお伝えしたのは大慶園のほんの一部に過ぎない。広すぎてまとめきれません。ちなみにここ、2004年に脱税を指摘された事があったそうだが、この時の記事には「年商約13億円」と書かれている。そんなに儲かってるのか…

あとは子供向けゾーンもあったりフィットネスジムみたいな一画があったり、カラオケボックスやバッティングセンター、ビリヤード・ダーツ場、さらには野球グラウンドまで幅広く扱っている。

東京からちょっと目と鼻の先なのにこんな郊外感バリバリの巨大ゲームセンターがあるだなんて正直面食らったが、千葉県北西部の住民には概ね好評で馴染みの深いアミューズメントパーク、それが「大慶園」だった。かなり奇抜な店だけあってネット上では色々噂されているのだが、そのへんも含めてユニークな存在であるには違いない。浦安鼠園は入場するだけで6200円取られるがここは入場料も実質タダだし気楽だよね!

それにしても何だよこのスーパーマンは…


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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