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【東神奈川】ドヤ街もある神奈川県名発祥の地「神奈川県横浜市神奈川区神奈川」を訪ねる

日数百万単位で通勤通学のために民族大移動が起こる東京~横浜間だが、意外に見過ごされがちな街が多い。今日は横浜駅の隣、京浜東北線の東神奈川駅を訪れた。

東神奈川駅がある横浜市神奈川区、ここは神奈川県の県名にもなった「東海道神奈川宿」がある古い下町だが、駅の周辺はことのほかDEEPである。少しこの界隈を散歩してみようと思ったのだ。

横浜線との分岐にあたる東神奈川駅は横浜駅の隣にある割には相当駅前が寂れた感じがする。駅前ロータリーに限っては綺麗に整備され何やら駅ビルまで作られようとしているわけだが、横浜線住民が乗り換えに使う以外はあまり利用する機会のない駅ではある。

ちなみに京急仲木戸駅も併設されているがめっきり存在感に欠ける。

いつも「横浜線と書いているのに横浜駅まで行かない糞路線」と不満が漏れるように、横浜線の事実上の終着駅がこの駅なのだ。一部列車は桜木町や大船までの区間に限り京浜東北線に乗り入れるが、半分くらいは東神奈川終点。東京方面に行くにも東海道線や湘南新宿ラインにも乗れず使い勝手の悪い路線であることは確かだ。

東神奈川駅から国道15号第一京浜の神奈川二丁目交差点のでかい歩道橋を跨いだすぐ先には、横浜港ノースピアと呼ばれる一帯がある。古くは神奈川宿に沿って存在していた神奈川湊に始まり、巨大ターミナル横浜駅やみなとみらい21が眼前に控えるにも関わらず昔の港町の風情を残している奇妙な地域だ。

この道を真っ直ぐ進むと「瑞穂埠頭」へ続く。そこは訳あって日本ではなくアメリカの土地となっている。広い道路になっているが殆ど車の通行はなくコンビニ一軒すらない寂しい通りだ。瑞穂埠頭のあたりは後ほどレポするとして…

150年前にペリー率いる黒船が横浜を訪れ「開国シテクダサイヨ~」と迫った時、横浜港の候補地としてこの神奈川湊一帯を要求したが、神奈川宿があるこの地域で日本人と外国人の衝突を恐れた幕府が対岸の寒村である横浜村へと開港場所を急遽変更したという。それ以来横浜村は諸外国の文化をみるみる吸収しすこぶる発展を見せるわけだが、対して開港の地とならなかった神奈川湊は寂れる一方で、同じ横浜港にあって忘れ去られたような風情を残しているというわけだ。

それにしてもこの水上家屋の放置っぷりは凄まじい。

気になって反対側から見てみたらこの通り。戦後のドサクサ物件だろうか、昔はこのようなバラック水上家屋がずらりと並んでいた事であろう。

今も建ち続けている「三井倉庫」の建物。相当古い年代に建てられた珍しい倉庫建築である。背後にはみなとみらい21の再開発エリアから続く、超高層マンション街「コットンハーバー」のビル群が迫っている。横浜港の新旧入り乱れる象徴的な風景だ。

運河には何故か打ち捨てられたまま放置される廃船の姿があった。

そのうちこの界隈もコットンハーバーのように綺麗に整備されてしまうのかも知れないが、現状は放置プレイだ。横浜港の影の姿を象徴するかのような景色が拝める貴重なエリアには違いない。

かつては神奈川湊と呼ばれ、神奈川県の名前にもなった由緒ある場所であり、なおかつ巨大ターミナルとなった横浜駅から徒歩圏とはとても思えない、すこぶる寂れた港町だ。

そんな放置状態の運河を挟んだ向こうにわずかながら住宅街が広がる。どう見ても下町ですが、この一帯の住所を書くと「神奈川県横浜市神奈川区神奈川」と非常に辛気臭い住所表記となる。まさしく「ザ・神奈川」とも言えるこの場所はオシャレなヨコハマでもなんでもなく、こんなあっけない下町だなんて誰が想像できるであろうか。

道すがら、年代物の角海老宝石ジムの看板を発見する。つくづく昭和の匂いがする下町・神奈川湊。

さらに、4階建ての住居ビル3棟が並ぶ奇妙な空間を発見する。布団や洗濯物が干されているさまを見るとここが一目見て簡易宿泊所(ドヤ)であることは用意に見当がつく。

横浜において港湾労働者向けの簡易宿泊所はもっぱら寿町が有名だが、神奈川宿にも一部こうした小規模ドヤ街が形成されていたのは知らなかった。表に回ると大量に「住人」の自転車も置かれており、ドヤ街のそれらしい雰囲気が漂う。

「太平荘」「大倉荘」「神奈川荘」と3つの簡易宿泊所が並ぶ光景。表には宿泊料金も書かれておらず、よその宿泊客を受け入れる空気は全く存在しない。時代が時代だけに、やっぱり福祉アパート化しちゃってるんでしょうかね。県名発祥の地、神奈川はこんな場所でした。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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