埼玉の霞ヶ関にある「角栄商店街」…昭和ムード全開な商店街と田中角栄との関係は?!

川越市

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川越市 霞ヶ関

商店街の建物は戦後の高度経済成長期にありがちな二階建て長屋タイプで、一階店舗二階住居となったものがメインだ。とは言え、商店街の奥まで進むとかなり廃業店舗ばかりとなり、店のテント看板も破けたままで廃れた光景も見られる。

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かつては子供の溜まり場だったであろう街の駄菓子屋もシャッターを下ろしたまま。お口の恋人ロッテのでかい看板だけが目立っていた。

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商売繁盛祈願のどでかい熊手が掲げられた「お持ち帰り用レストラン」の店舗もシャッターが降りている。単に定休日なだけだったんならいいが…現役なのだろうか。

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こんな純な佇まいのスナックまで地味に残っていて素晴らしすぎる角栄商店街なのだが、地域の高齢化がだいぶ進んでいるようで、買い物客もまばらな上に老人だらけ。集合住宅が立ち並ぶ団地という訳ではなく、建売住宅ばかりの新興住宅地だが、それほど事情には大差ないようだ。

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しかしいくら寂れているとは言え、駅から離れた場所にこれだけの規模の商店街があるのは大したもので、柔道着姿のコバトンが描かれた埼玉県認定「黒おび商店街」のステッカーも貼られている。

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埼玉の場末の下町らしい、高級感も華やかさもない宝石店が哀愁をそそる。それにしても店の名前が「今人」(イマジン)だもの、泣かせてくれる。脳内でジョン・レノンがヘビーローテーションで「イマジン・オール・ザ・ピープル」とか歌い出すのでなおさら昭和で困る。

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寂れた商店街の片隅にある「結婚紹介所」も時代遅れ感甚だしく、店の中で主人が爆睡してました。今時の「今人」ならLINEとかですぐ引っ掛けちゃう時代ですので、この結婚紹介所の「最新システム導入」が何十年前の話なのかが気になる。

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ジョン・レノンの「イマジン」は歌詞が共産主義的であると指摘されるそうですが、こちら角栄商店街には「日本共産党ふれあい事務所」があり、大量のポスターが貼り付けられていて香ばしいです。雇用とくらし、福祉、憲法9条を守っておられるそうです。

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そんな共産党ふれあい事務所の並びの建物の角、エコス霞ヶ関店に面した部分がなんだか香ばしくて思わず足が止まりましたよ…だってここ…

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寂れた商店街にありがちな情弱中高年おばさん狙いの「ソニックエステ」の広告まであるし…「5年前の私だわっ…」とつぶやくおばさんのイラストがトレードマーク。

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異様なのがこの矢印型に切り抜かれたソニックエステのポスター群だ。この無駄な気合の入れようといい、なぜか公明党のポスターがひょっこり紛れ込んでいたりして、カオスな様相を呈している。この勢いなら、寂れた商店街によくあるジジババが集まる期間限定営業型の怪しい催眠商法の健康食品店があってもおかしくなさそうですが、とりあえずその手の店はありませんでした。

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で、ブロック塀の内側には故意にめくり上げられたのか定かではないが折れ曲がったキリスト看板まであるこの役満状態。これは罰当たりな光景である。

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ちなみにこの土地を開発した「角栄建設」だが、後に「ジョイント・レジデンシャル不動産」と名を改め、その関連会社として「角栄ガス」という会社が現存しているのみになる。

角栄建設はここ川越に限らず、60~70年代に埼玉と千葉の複数箇所で同様に新興住宅地を造成し、坂戸市西坂戸、千葉市緑区越智町、佐倉市志津といった地域で現在も「角栄ガス」が都市ガスの供給を行っている。そして「角栄団地」の名称も一部では残されている。気になってしょうがないので、他の角栄団地巡りもしてみたいもんですな…


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