150棟近くもの大量の団地群の建物を見るとほとんどが5階建て程度の低層団地であることがわかる。場所によっては老朽化が激しく建て替えが始まっている箇所もあるようだが、古びた団地でありながらも団地内は綺麗に整備されていて荒れた印象は感じさせない。
昭和40年代築以前の古い団地には風呂が設置されずに建てられるケースが多いが、そういう団地のベランダには後付けで設置されたコンテナ式浴室の姿が見られる。
いわゆる「団地萌え族」の目で見れば、ベランダから見える団地の構造を眺める楽しみというのがわかる気がする。こちらの団地は1戸が上下2階建てになっているのだ。団地なのに2階建て、団地は団地なのだが、ちょっとした一戸建て気分を味わえるのかも知れない。
団地建設から半世紀が経過しているだけに、団地内の樹木の成長具合もなかなか凄い事になっている。中には5階建ての団地の建物を超えて成長を続けている樹木もある。人はすぐに老いぼれるのに対して自然の力はやはり凄いなあと思う。
桐ヶ丘団地では少数派の高層住宅。古い団地にはつきものの給水塔よりも高くそびえる。しかし例外なく老朽化が激しい。この団地が出来た頃の住民の目にはさぞかし憧れの近未来都市に見えたであろうが…
そんな高層住宅の階段には洗濯物やら布団やらが乱雑に干されていた。一見無味乾燥そうなコンクリート建築も長年人が住み続ければいやがうえにも生活臭が漂うから不思議なものだ。
その近くには団地の機械室だろうか、平屋建てのコンクリートの塊がまるで墓場のような佇まいを見せていた。
そこは住民が勝手に家庭菜園に使っていた。プチトマトが鈴なりに育っている。今年は予想外に長引く梅雨で発育状況が心配ですね。
こういう風景を見ると、さすが都営団地クオリティだと思うが、天下の貧民特権階級天国である我が地元大阪の市営住宅に比べれば全然大人しい。大阪の市営住宅に行くと公園で勝手に畑作をやるのは序の口で、住民が勝手に路上に線を引いて駐車場を経営して料金を徴収したりと色々カオスだ。(→詳細)
まだまだこの先にも都営住宅群がこれでもかとそびえている。桐ヶ丘団地はその歴史の長さも面積の広大さも他者の追随を許さない。下り坂の先には埼京線北赤羽駅もある。
北側のN地区の団地地図。こっちは割と新しい目の団地が並んでいるのだが、やたらめったら数が多いのは変わらない。
しかし北側の団地にも「給水塔」が存在していることから、こちら側も随分昔から造成されていたようである。給水塔は古い団地にしかなく、昭和50年代以降建造された団地にはあまり存在しない。
日本における集合住宅の歴史の生き証人であり団地マニア垂涎の聖地、それが桐ヶ丘団地である。是非一度訪れて欲しい。