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「ココに登る者を見ましたら110番」…支離滅裂な電波張り紙で占領された高円寺駅前の謎のビル

DEEP案内不動産部の逢阪です。今日は杉並区の高円寺にやってきております。下北沢と同様に若者に人気の街で、駅周辺には安く買い物が出来るスーパーや飲食店が軒を連ねていて非常に住みやすく、新宿にも至近距離にあり、常に活気が絶えません。今回ご紹介する物件は高円寺駅南口から徒歩1分という通勤至便な土地にある、この物件です。

1階部分が店舗、2階から上が住居のようですが何やら良く分からない貼り紙がベタベタ貼られています。一体どうなっているのでしょう。

貼り紙の一つ一つを見てみると、細かい文字で何かが書かれているのが分かります。どうやらこの物件の家主さんが自ら書いて貼り付けているものだそうです。

貼り紙自体のサイズもまちまちで、シャッターにガムテープで貼りつけられているものの、かなり細かくされた状態で使われているのが分かります。

それでは、その貼り紙には何が書かれているか見てみましょう。

意味は良くわかりませんが政治や社会システムについてびっしりと個人の主張が書かれているようです。

この貼り紙の周囲には小さく切り刻まれたガムテープが合計18箇所に渡って貼られていて、シャッターと密着しています。紙はカレンダー用紙に近いものが使われています。

一枚の紙には日本の国家運営についての真摯なご意見がびっしりと書かれておりました。比較的丁寧な文字ですが、高円寺の街に居る若者にこの声は届いているのでしょうか。とてもそのようには思えません。

現在の資本主義社会は人々を幸福にしない事は百も承知していますが、だからと言ってこの不満をどこにぶつけていいのか分からなければ目の前を歩く通行人にでも自分の意見を見てもらいたい気持ちになるものでしょうか。

確かに高円寺には脱資本主義的な生き方を実践するヒッピーな方々が多い訳ですが、残念ながらこの貼り紙が並べられた物件の前には誰一人としてその場に留まって見ようとする人はいません。

時に貼り紙は文字が赤くなったり、文字のサイズが大きくなったり小さくなったり、その時その時で家主さんの感情が反映されているようでもあります。人類の幸福を考える前にまず自らの幸福を考えるという思考判断は出来ないものでしょうか。それは現代日本の新興宗教信者の多くも陥っているありがちな自己矛盾の一つです。

さらに凄いのは英語バージョンの貼り紙がきちんと用意されている事です。高円寺の街の一角から世界中に向けて電波を発信していらっしゃいます。

しかし残念なのは誰一人としてこの貼り紙の文章を読んでくれない事です。傍から見ればただの電波文でも、見る人から見れば何か価値があるものかも知れません。

2007年東京都知事選挙の時、ここからすぐ目の前の高円寺駅南口で毎晩「選挙活動」と称して酒盛りを繰り広げていた異端的極左活動家の外山恒一さんに言わせれば少数派の意見を黙殺する事はすなわち悪であり敵なのであります。

東京DEEP案内は少数派の存在をないがしろには致しません。少数派にやさしいサイトです。

しかしこのビルの家主さんは一体誰と戦っているのでしょうか。

さらに玄関ドアには何者かの侵入者を威嚇する文章が、血の様な赤いマジックで書き殴られていました。某二人とは誰と誰の事でしょうか。さらに怪電話が頻繁に掛かってくるようです。被害妄想は統合失調症の典型的な症状です。

さらに極付けには玄関横の壁にこのような看板が掛かっているのです。

「ココに登る者を見ましたら110番をお願いします」

あたかも城塞の様に周囲に威圧感を与える雑居ビル。4階建てで、中央線高架側に各テナントが入居できるようになっていましたが、現在では全く使われておりません。かつては酒屋が1階に、マージャン店が2階、将棋センターが3階にあったようです。

さらに4階部分を見ると「催眠療法」の文字が書かれていました。さすが中央線らしい店構えの雑居ビルだったようです。しかしいずれも廃墟となっていました。

総勢50枚もの電波貼り紙の向かいは杉並区の保育施設「高円寺南保育園」になっております。教育熱心な杉並区民も満足、教育環境もばっちり。お子様の漢字教育の教材としても重宝する事でしょう。

最後に、家主さんが閲覧者にレスポンスを求める「意見欄」が置かれている所も気配りが出来ていて好感が持てます。しかしそこに書かれていた言葉は…

「日本語でOK」


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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