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生まれて60年、戦後の佇まいが残る町田の名所「町田仲見世商店街」を訪ねる

新宿、八王子、横浜の3つの拠点都市の中継地点に位置する東京なのか神奈川なのかよくわからない「町田」。駅周辺はかなりの繁華街になっていて人通りも激しく、しかし腐れヤンキーやチンピラが闊歩していて粗暴犯も多い物騒な土地柄でもあり、足立区あたりといい勝負している。

町田市 町田

そんな町田駅前の繁華街の中でも見逃せないのが何と言っても「仲見世商店街」の存在だろう。駅前から伸びるターミナルロードの横手から旧町田街道の手前までのおよそ100メートル足らず、道幅2メートル足らずの空間にひしめくレトロ感半端ない市場だ。

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その入口両脇には小龍包と大判焼をひたすら焼きまくる名物店が並び。両方の店の前にやたら行列が出来ているのが町田仲見世の日常風景。そりゃ町田名物を名乗っても何の違和感もないほどの行列を見せる大判焼の「マルヤ製菓」。町田民のDNAに刻まれているおやつの店である。

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マルヤの名物は店先のホットケースにたんまり積み込まれている恐ろしいくらいに種類豊富な「大判焼」の数々だ。定番のこしあん、白あんもあればハムエッグ、ラザニア、チーズといった塩味系のものもあるし、イタリア風のマルゲリータ、メキシカンチキンなんてものもあり、大判焼だけで世界一周出来そうな勢いだ。

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ちなみに仲見世入口の真向かいにも行列の出来るクレープ屋「くれーぷきッズ」もある。仲見世商店街の前の小龍包と大判焼を含めて三軒、地元民がずらりと行列を作る姿は町田ならではのものか。圧倒的に庶民の街であることをアピールしている。

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この町田仲見世商店街は関東大震災後のドサクサで出来た古物市場が元であるという。戦後は「国際マーケット」として再興し、今に至っている。歴史的経緯も似ているが、当初から庶民向けに安売りする店が充実していることから「町田のアメ横」とも呼ばれる事もあるとかないとか。

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ここ数年の間に古い個人商店が廃業する一方でタイ料理だとか沖縄料理だとかの居酒屋がポコポコ増えてきて、高円寺の大一市場や杉並区和泉の和泉明店街あたりを髣髴とさせる光景が見られる。

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特に沖縄居酒屋「ニライカナイ」はあちこちに店舗を広げまくっていて、今や仲見世の一大勢力となっていた。しかし何の事はない、吉祥寺に本店のあるチェーン系居酒屋である。

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仲見世の中央部分は完全にニライカナイのテリトリーになっておりますが、那覇のマチグヮーや栄町市場のようなガチな土着感がまだまだ足りませんねえ。まあでもこれだけキャパシティがあるという事はそれなりに繁盛しているのでしょう。

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ちなみにニライカナイの手前にあるタイ屋台料理居酒屋「旅人食堂」も同じ吉祥寺の会社が運営する系列店。町田は吉祥寺のハモニカ横丁のような意識高い系(客単価も高い)のバルに侵食される事にはならんだろう。町田民にはアジア屋台料理と大判焼、小籠包あたりがお誂え向きである。

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しかし今では「ニライカナイ」の店舗が入っている裏手のこの場所…以前はこんないかがわしい佇まいのお店があったのですが、ご存知でしたでしょうか。メンズクラブねえ…いつの間にか町田仲見世は健全な場所になってしまってました。

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以前は町田仲見世の「表」と「裏」の境界線だった「仲見世飲食街」の看板はそのまま。沖縄居酒屋がその結界を破ってしまった形になりますかね。

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そんな旧メンズクラブの前から伸びる裏手の道は、仲見世商店街の店舗裏に面している一方で片側にずらりと古ぼけた飲食店が連なっている。ここだけは未だに代替わりせずにおおよそ昭和のままの佇まいである。

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スナック「桂」はまだまだ現役のようで、どうにも渋い佇まいの玄関ドアと看板がただならぬ場末感を放っている。一見さんはとても立ち入れる雰囲気ではありませんな…

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その隣には「始業昭和30年」と暖簾を掲げる小料理屋「すみれ」。創業ではなく始業とは日本語の使い方としてはどうかと思いますがケンチャナヨな感じでしょうか。左奥の方に共同便所も見える。

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裏通りの中央部分に飲食店共同の洗い場兼自転車置き場が。なぜか消防用ホースが大量にぶら下げられている。場所が場所だけに人一倍「火の用心」を心掛けておられるようです。

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小料理屋の暖簾が示していた通り、仲見世商店街が出来てから60年以上経っているそうで、もっともその頃の町田は市制施行前で南多摩郡町田町といい、横浜線や小田急線の駅名も「原町田」「新原町田」だった。昭和33(1958)年の市制施行時の人口は6万人、今では42万人…半世紀で7倍に増えたのか…

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仲見世の裏通りはこのような年季の入った小料理屋が辛うじて数軒生き残っているが、この辺りもあと数年もすればチェーン系居酒屋に侵食されるんでしょうかね。

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今なお町田駅周辺で数少ないベタな昭和空間が残る「町田仲見世商店街」。老朽化激しいながらもまだまだ当分無くなりそうな気配は皆無でございました。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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