ガチな下町「荒川区町屋」 (3) 野良猫と原稲荷神社

再び町屋駅前に戻ってきた。尾竹橋通りを西側に入ると「稲荷通り」という小さな商店街があるが、商店街と呼べるかどうかも微妙な距離に飲食店が連なっているだけの通り道だ。
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今回は駅前の稲荷通りから尾竹橋通り西側の路地を北上して町屋の下町風景を引き続き探索していく事とする。


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稲荷通りに並んでいる店も相変わらず町屋らしくスナック居酒屋てんこもり状態な訳だが平日の真昼間からスナックからカラオケの歌声がバンバン聞こえてくる辺りが面白い。熟年ニート率の高さを伺わせる。
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路地を入った所にも沢山のスナックやら居酒屋が紛れ込んでいて飲兵衛率の高さも想像に難くない。正面には古い純喫茶が店を畳んでシャッターを下ろしたままになっている。微妙に残念な感じのする場所だ。
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やたら古そうな趣きの焼肉屋が一軒、路地の奥まった所に店を構えていた。先日の巨大地震のせいか知らんが店のタイルが思いっきり剥がれ落ちている。
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さらに入り組んだ路地裏を抜ける途中にクリーニング屋なんぞがあって、店の名前も「いなり」とある。稲荷通りと言うだけあって当然近所に稲荷神社が鎮座している訳である。
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住宅街に囲まれて小さな神社があった。原稲荷神社。徳川家康の江戸入府に伴って三河の国の百姓がこの辺に移住した時に建立されたという言い伝えがあるので古い神社には違いない。町屋村の鎮守でもあり、町屋稲荷とも呼ばれている。
隣の三河島の地名も三河の国からの移民に基づいているし、遠いご先祖は愛知県民だがね…いや三河だから「じゃんだらりん」か。
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そんな原稲荷神社は野良猫の集会場と化していた。町屋の複雑で細かい路地のある住宅地は猫の格好の生息場所となっている。さぞかし夜中には盛りのついた猫がアオーンアオーン鳴きじゃくってカオスな光景を見せているのだろう。
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広大な町屋の住宅街の各所にはちょっと気の狂った老人がゴミ屋敷や猫屋敷をこしらえて近隣住民に迷惑を掛けているそうだ。詳しくは荒川区議会小坂議員のブログをどうぞ。写真付きで物件が複数掲載されていて生々しい。
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そんな稲荷通りを離れて尾竹橋通りの西側の路地をさらに北側へ進んでいく。基本的に住宅街だらけだが、しばらく進んだ所でわずかに古い商店街の名残りのようなものが続いている。
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そんな路地にある昔ながらのコインランドリー。付近は風呂なしボロアパートだらけで銭湯やコインランドリーもやたら見かける。貧乏暮らしには素敵過ぎる居住環境だ。
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そんな街並みに溶け込む庶民の政党・日本共産党のポスターがここにも。尖閣諸島の事を書いてるけど領土問題は一貫して保守的だぜ。どこぞの烏合の政党よりも筋が通ってるよね。
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現役の銭湯「子宝湯」の煙突が青空の下高らかに存在感をアピールしている。リアル「神田川」の世界は東京の辺縁部である町屋の片隅で平成の時代になっても受け継がれていた。
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時折まともなマンションも見かける事があっても圧倒的多数なのがこうしたボロアパート群。荒川区役所などがある町屋駅の南側もかなりのものだったが、こちらも負けてはいない。
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築何十年で家賃はいくらぐらいの物件だろうか、玄関上の装飾などに戦前建築らしいレトロモダンな特徴を備えた共同アパート。庭先には恥ずかしげもなく男物の下着が干されていたりして生活感が非常に生々しい。

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