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東京の都心で自力でビルを建てている人がいる件…三田聖坂「蟻鱒鳶ル」を見物してきた

世界的に有名な建築家アントニ・ガウディが手掛けたスペイン・バルセロナの聖家族贖罪教会「サグラダ・ファミリア」は着工から130年、本人の没後も細々と建設が進められてきた未完作品であったが、近年のIT技術の進歩とやらで、2026年の完成が宣言、大きな話題を呼んだ。一方で「日本のサグラダ・ファミリア」と呼ばれる横浜駅は、完成の目処は未だに立っていない。

港区 三田 田町

しかし東京のど真ん中にもガウディみたいな「セルフビルド建築」に生涯を注ぎ込んでいる奇特な事をしてる人がいるらしく、港区三田の聖坂に行けばリアルタイムで自力建設中のビルが見られると聞いて、ひょっこりやってきましたよ。

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JR田町駅及び都営地下鉄三田駅から西側、第一京浜と桜田通りの間の高台を登る坂道…そこが聖坂である。ずーっと登っていくと伊皿子だとか高輪だとかがありますね。ガチな高級住宅地です。

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聖坂には「普連土学園」というまるでアニメの舞台にでも現れる架空の学校みたいなネーミングの学校もありましてそこそこ偏差値の高い女学校のようですが、学校名を知らずに聞くと「えっ?」となりそうな所です。アメリカに留学していた新渡戸稲造の提言によって設立されたという歴史ある学校らしいですよ。

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そんな聖坂の中程にいきなりデーンと現れるセルフビルド建築。両脇をマンションに囲まれて、その間に挟まれるような形で、非常にゆっくりと天に向けて伸び始めているかのような佇まいのビル。「蟻鱒鳶ル」(アリマストンビル)という名前だそうですが…

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こちらのビル、一級建築士である岡啓輔氏個人が一人で製作をコツコツ続けている「自力建設」プロジェクトの集大成で、2005年から現在まで、足掛け十年この土地でビルを建て続けているという。

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ビルの前には「建築基準法による確認済」の看板も掲示されていて、ちゃんと許可を受けて建てているビルだという事も確認できる。

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このビル、建築材料の全てを「ホームセンターから調達」して建てられているのが特徴で、大掛かりな重機などは一切使わず、コンクリートを練る作業一つから全て手作りでやっている。このコンクリートも一般のものと比べて水の分量を減らしたものが使われ、通常のコンクリートよりもかなり丈夫に作られている。専門家曰く「200年はもつ」程だという。

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建築開始から10年近くが過ぎようとしているが、まだビルの入口から見える範囲では内部も完全に建設現場のそれで、居住空間としては使えそうにない。この都心の高級住宅地の一角で土地代とか材料費とかどうしてるのかなぁという余計な心配がしたくもなるが、まあ野暮な考えってもんだ。

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本当は着工から3年で完成させる予定だったらしいが、色々とこだわりが出始めて、9年経った今でも建設続行中。建物の3階部分に岡さんらしい方が作業してました。現在3階建てで、2009年のストリートビューを見るとまだ平屋だったので、このペースだとあと5年経てば5階建てくらいにはなっているのだろうか。

しかしこのアリマストンビルが建っている土地、再開発用地に掛かってるらしくて、実は立ち退きを迫られている話もあるという。なんじゃそりゃ…

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また同じ聖坂には大使館界の珍建築として一部で知られるクウェート大使館の建物もあり、奇抜な外観が目を引く訳だが、昭和45(1970)年に丹下健三の設計で建てられたものだ。ここが三田聖坂における珍建築の系譜の源流か…どうかは知らんけど。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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