葛西でトロピカル工場萌え体験!東京23区唯一の島「妙見島」上陸記 

まず「東京の島」と聞いて思い浮かべるのが伊豆大島、八丈島、小笠原諸島といった絶海の孤島である。それは同じ東京都に属しながら生活圏も文化も全く違う、日本に残された最後のパラダイス。しかしそんな東京23区にも唯一の「島」があるという。島と聞いてもお台場などの埋立地ではなく、自然に作られた島としては唯一であるという、葛西にある「妙見島」である。千葉県境の旧江戸川の中州地帯に存在し、住所は江戸川区東葛西三丁目の一部となっている。

「離島」と聞いて無駄にロマンを求める東京DEEP案内取材班はこの島に上陸を試みる事にした。その一部始終をお伝えしよう。

妙見島のある場所は地下鉄東西線葛西駅と浦安駅の間だ。千葉県境になっている旧江戸川沿いまでやってくると、都内とはいえ風景は田舎のそれに近い。

見えてくるのは東西線の鉄橋。毎日大量の千葉都民を載せて満員電車が行き来する地下鉄の大動脈だが、電車の外の風景はいたってのんびりしている。

葛西駅前は環七沿いに限ってはマンションがボコボコ立ち並びいかにもな新市街地と化しているが端っこの旧江戸川沿いまでやってくるといまだに昔のままの農村風景がモザイクタイルのようにそこかしこに残っている。古民家の裏に畑。これが23区の端にある日常なのだ。

昔は漁村だった名残りを、今も屋形船を経営する業者の看板の存在で窺い知る事が出来る。葛西や浦安の町は昭和40年代に東西線が開通する前は全くの「陸の孤島」で、住民は漁業を主な生業としていた。

東西線の鉄橋を跨いだ先に、これから上陸する「妙見島」の先端部分が見えてくる。南北700メートル、東西200メートルの小さな島の南端に浦安橋が掛かっており、この橋を通じて行く以外に交通手段はない。

島の南端には一軒の船宿と何やらソッチ系っぽいホテルが見える。岸には屋形船も係留されている。

浦安橋の上から妙見島を眺める。東京23区唯一の島と聞いていてトロピカルなイメージが思い浮かぶわけもなかったが完全に工業地帯だ。島の周囲はコンクリート護岸で囲まれているため、見方によっては「軍艦島」のようにも見える。東京にも軍艦島はあったのだ。

葛西と浦安を結ぶ浦安橋。交通量の増加と橋の老朽化で一度架け替えられている。昭和53年というと東西線開通から10年近くが経過した頃である。

対岸の妙見島を見ると工場の従業員の社宅らしき建物が見えるが、全く使われている形跡がない。ある意味廃墟の島と化そうとしているようだ。やっぱりここは東京の軍艦島なのだろうか。

浦安橋の途中から妙見島に降りる歩道を下ると入口には「ツカサボデー」と書かれた建物がある。ボデーという言葉に時代を感じる訳だが完全に孤立した工業地帯で時間の流れが止まったかのような妙見島に上陸する我々を出迎える「つかみ」としてはお誂え向きの存在だ。

いよいよ東京23区唯一の島に「上陸」である。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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