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東京スカイツリーの足元がDEEPタウンでした…「業平橋・押上」界隈を歩く 

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東京スカイツリーへの最寄り駅は2つある。1つは東武伊勢崎線業平橋駅改め「東武スカイツリーラインとうきょうスカイツリー駅」(笑)、そしてもう一つは半蔵門線・都営浅草線・東武線・京成線の4社が乗り入れている押上駅。

この押上駅の名称も東京メトロ側は「押上〈スカイツリー前〉」と地味に改称されている。明治神宮前〈原宿〉みたいなもんだな。都心から来る場合は押上駅利用の方が何かと楽である。以前は無駄にだだっ広い駅構内に人がまばらで不気味な場所だったが、随分印象が変わった。

で、この押上駅を降りてスカイツリー側とは逆位置に「押上通り商店街」という古臭さ全開の地味な商店街が伸びていて、スカイツリータウン(笑)街開きという墨田区の歴史上稀に見る狂乱ぶりとは裏腹にしーんと静まり返った姿を晒しているのだ。

早速押上通り商店街に足を踏み入れてみる。まかりなりにも押上駅前にある商店街なのだが買い物客の姿は皆無。活気という言葉とは無縁の世界がそこに広がっていた。もうかなり前から寂れっぱなしになっているが、別にスカイツリーが出来たからといってそれは変わる事もないようだ。

それどころか古びた商店の建物が潰れたまま放置されしまいには解体されてコインパーキングに変わった場所まである。これでも勢いのいい安売りスーパーが1軒でもあれば印象は変わるのだが、そんな要素も見当たらない。

ちなみにコインパーキングと化した商店街の一角には少し前までこんな渋い雑居ビルが建っていた。3階建てで1階が古本屋、2階がダンス教室なんぞになっている。駅前風景としては東京都心というよりどっかの地方都市のようにも思える。

その隣には廃墟同然の姿を晒した靴屋。シャッターが中途半端に隙間を開けた状態で降ろされている。どうもこの商店街は元号が昭和のままで終わっているらしい。

街の電気屋さんもかなり古めかしい「ナショナル」の看板がそのまんまになっていたりして。今やナショナルも松下も家電ブランドの世界から消えて無くなりましたよ。時代は変わった。

アーケードが中途半端に途切れた場所には古い町医者が建物もそのままに細々と診療を続けている。小児科・内科・産婦人科と診療科目が記されている中で小児科の字がまるごと、それに産婦人科の「産」の字だけが不自然に消されていた。少子化の世の中だしこんな鄙びた下町じゃ儲からんよね。

しかし個人的にツボに来たのは押上通り商店街のアーケードに吊るされた店舗名を記す看板の微妙に古臭いデザイン。ひらがなの「り」が異様に伸びている点もツボ。いやあ昭和ですなあ。目白コマースビルと似たような哀愁が漂う。

元気のいいスーパーとかは皆無な押上通りだが、その代わりパチンコ屋もあれば押上食堂という庶民の味方もございます。別世界であるスカイツリータウンの中じゃあお上品に女子がカフェめしなんぞ食ってるのだろうが押上はれっきとした庶民の街。よってこの食堂もガテン系オヤジが仕事帰りに飯食って一杯酒を煽る労働者向け大衆食堂となっております。

他にも押上駅前にはほんのちょっとだけ飲み屋横丁的な小路が残った箇所もあるが他の街に比べるとキャパがとにかく小さい。そのうち古い商店が駆逐されてつまんないチェーン店ばかりに変わるのだろうか。

押上の商店街と言えば駅前の押上通りだけかと思ったら違った。駅前から少し歩いて浅草通りの南側、四ツ目通りの東側まで出ていくと業平四丁目に小規模ながら地元民向けのベタな商店街が残っている。業四市場商栄会・お買物横丁と書かれた看板が掲げられている。

ほんの数軒程度、生鮮食品店やスーパー、惣菜屋などが四つ角に固まっているといった感じの場所だが住民の日常生活に最低限必要な食い物は揃えられそうな感じ。相変わらず街並みは寂れてますけどね。

角の土着的な八百屋さん。ただひたすらにくたびれてます。スカイツリーの足元にはまだまだこんな風景がびっしり残っているのです。

定休日か何かでシャッターが閉められた食料品店。シャッターの絵がスカイツリーなのはいいがどこかで見たようなキャラクター大集合だ。おしえて著作拳状態ですがこういう下町的なゆるさがあるのっていい。著作権が世界一高いらしい例のネズミは居ない。

そして極めつけには「スーパーイズミ」。スーパーなのに何故か店の前にはガチャガチャが大量に置かれているし、DIY風味なお店の看板の横にいる「イズミちゃん」といい、素晴らしいセンス。

やたら気になるスーパーイズミ前のガチャガチャ群。よく見るとかなりブラックユーモアたっぷりな品物ばかりです。子供向けにしてはどうかと思う「煙のでるタバコ」、その隣はガイガーカウンター風のおもちゃ「ドキドキガイガー1号」。よくこれOK出たな。ガチャガチャ業界って本当にフリーダム。

帰り際に四ツ目通り沿いにある韓国弁当屋を見てスカイツリー川柳にあった「アニョハセヨ スカイツリーが あるスミダ」というお馬鹿な句を思い出した。都心に近い墨田区と言えどもここは川向こうのアンダーグラウンドゾーン。韓国人に限らず住民の外国人率は結構高い。まあ錦糸町も近いし。

いつの間にか最先端のトレンドスポットになってしまったスカイツリーがある墨田区も区内の観光に力を入れ始めている証か「すみだ百景すみまるくん」なるコミュニティバスを2012年3月から運行している。これで八広や東墨田方面の墨田DEEPゾーンへのアクセスも容易になったので利用を薦めたい。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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