東武東上線で東京の最果てにある板橋のベッドタウン「成増」を歩く (2010年)

板橋区

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成増駅前に出ると「スキップ村」という商店街を中心にそこそこ栄えている。今度はこの商店街の中をふらふら歩いてみる事にしよう。

スキップ村商店街のホームページには商店街の名前の由来が書かれている。「安全(Safety)」「親切(Kindness)」「面白い(Interest)」「楽しい(Pleasure)」それぞれの英語の頭文字を使ってSKIPだと言うのだ。凄く微妙なセンスで実に板橋区らしいカラーが出た商店街だ。

英語で「Skip」というと「飛ばして進む」という意味も含まれますが…

本当にスキップしたくなるような楽しい商店街なのか、ちょっと見てみよう。

確かに非常に栄えている印象はある商店街で、特に単身世帯だったら助かるようなチェーン店系の外食店が充実している。「日高屋」「てんや」「かつや」「松屋」「マクドナルド」極めつけには「福しん」まで…

独身オヤジならスキップ状態になること請け合いだが、東京DEEP案内的視点で見ると没個性的で面白みに欠ける。商店街の発展の仕方にも東上線沿線らしい「妥協」が反映されているような気がする。

マツモトキヨシが入居しているビルも2階以上は廃墟状態。ここがもし高円寺や下北沢だったら絶対に変な雑貨屋が入りそうなビルだが、成増って本当に栄えているのかどうなのか微妙なところだ。

だが、商店街のあちこちには胡散臭さを放つキャバクラの看板がデーンと掛かっているのも東上線沿線らしい特徴。

さらに「美熟女パブ」まできたもんだ。東上線沿線には熟女好きの人口が多いのか?

スキップ村に交差して川越街道方面に伸びる「すずらん通り商店街」へ入る。こっちは比較的昔ながらの個人経営の店が主流で、どことなく雰囲気がやさぐれている。

板橋区はやたら韓国料理店や焼肉屋が目立つが、成増も例外ではない。

スキップ村とすずらん通りの交差する内側に通っている路地裏が微妙に胡散臭さを放っている。案の定、焼肉屋やホルモン焼き、キャバクラやパブといった場末の歓楽街にありがちな光景が見られる。向かいもパチンコ屋なので、まさにオールキャスト揃い踏みである。

その名も「和風スナックろじうら」って、そのまんまやないか。

そして路地裏物件には急激に増加するピースボートのポスター群。

ちなみに東上線が開通した大正3年には板橋区内の駅は下板橋と成増しかなく、戦前の早い段階から駅前が市街化している。道理で駅前に戦後のドサクサ横丁が出来るわけだ。

現在も池袋から出ている準急・急行電車は途中駅をすっ飛ばして成増駅までノンストップである。そんな交通事情もあって、成増は昔から板橋区を代表する繁華街だったのだ。


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