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オヤジの街・新橋のランドマーク!「ニュー新橋ビル」と烏森の飲食街の胡散臭さを見よ(2009年)

サラリーマンの聖地「新橋」を代表するのが、新橋駅前にそびえる怪しげな風貌の「ニュー新橋ビル」だ。昭和46(1971)年にこの場所に出来て以来40年近くもの間、新橋界隈で働くサラリーマンのオアシスとして機能してきた。

しかし奇妙なのがこのビルが駅前一等地にあるにも関わらず、新橋駅前を通り過ぎる人々の動線からはすっかり外れてしまっている事だ。1階には宝くじ売場や洋服の青山、それにチケットショップ、それにパチンコ屋などが入っておりそれなりに客がいるようだが…

しかしビルの中にどういう店が入っているか少し見れば変だということに気が付くであろう。サラリーマンのオアシスである新橋らしくマッサージ、雀荘、ゲームセンター、挙句にはファッションヘルスまでもが乱雑に入居しているカオスな雑居ビル、それがニュー新橋ビルの正体だ。

普通の店が多い1階と、居酒屋の多い地下1階はすっ飛ばして、まずは2階に行って欲しい。

まず2階に上がると目に付くのが昭和の臭い漂うゲームセンターの存在だ。それもお台場などにあるオシャレでデート向きなものではなく、仕事帰りかさぼり中のスーツ姿のサラリーマンしかいない萎びたゲームセンターである。

もう一つのゲームセンターは自動販売機の陰に隠れており中の様子が殆どわからないどころか、傍目に見るとゲームセンターであることすら気づかない仕様になっている。

どこぞのサボリーマンが仕事をせずに遊び呆けるにはうってつけのゲームセンターなのだろう。店内の様子がそのまんま昭和であることがさらに好奇心を掻き立てる。

そして次に目立つのは「中国漢方整体院」などと書かれた中国式マッサージの店。

店の前を通り掛かると中国人のおばちゃんが片言で「マッサージドウデスカ?」と訪ねてくる。しかも店はこの2階だけで一軒どころか十軒くらいある。見た目にもちょっと異様である。

新橋は中国人が経営するマッサージ店が密集している訳の分からん地域で、ここニュー新橋ビルの中に限らず、新橋西口通りに界隈を夜に歩き回ると、もぐりの中国人や東南アジア系のお姉さんに当たり構わず「お兄さんマッサージどう?」などと声掛けされる非常に怪しげな街である。

やっぱり一番オススメしたいコアなフロアは「2階商店街」である。ハッピーロードなどと書かれているが建物自体は40年近くにもなり昭和の古臭さとビル全体に立ち込める陰気臭さがハッピーとは程遠い場違いな雰囲気で笑える。

そもそもこの「ニュー新橋ビル」自体の成り立ちからして戦後の「闇市」対策として東京都が主導で行ったクリアランス事業だったのだ。

元闇市を移転した作られたビルだということで妙に合点が行った。大阪駅前第1ビル~第4ビルの雰囲気とそっくりなのだ。大阪駅前ビルの成り立ちと言えば梅田の闇市にまつわるエトセトラ。

「梅田村事件」における立役者は当時の梅田界隈を不法占拠していた三国人ヤクザだったが、やはりその歴史は東京新橋においても同様で、かつての新橋駅前にも闇市の帝王なる「王長徳」という大物中国人フィクサーの存在があったのだ。

だから、ビルの中に入ってもこんなにやたらカオスなのね、と納得が行く訳だ。

それはわかったが、いわば官主導で建てたビルにファッションヘルスまで入居しているという有様には笑いを通り越して脂汗や先走り汁が出そうな勢いである。「Dカップ」だなんて名前もそのまま巨乳専門ヘルスですか?

おまけにアダルトグッズ専門店までばっちり用意されている。

ここまで大阪駅前ビルとクリソツなのもある意味親近感が湧く。4つ棟続きの大阪駅前ビルに規模的には劣るが、「ニュー新橋ビル」は新橋の戦後の歴史が詰まったビルであるとも言えよう。

さらに3階へ登ると、新橋駅前の喧騒とはうってかわってガラーンとした空間が広がっているかと思いきや、スーツを着たオッサン連中でごった返す、年季の入った喫茶店が入っている。サラリーマンの隠れ家だろうか。客のサラリーマン軍団は揃いも揃ってみんな中高年なのも特徴。

健康不安が身近な中高年サラリーマンのための「点滴カフェ」などもありなかなか面白い。「メンズクリニック新橋」に来ると様々な点滴治療をやってくれるようだが、やっぱりオッサン向けな立地だけあって精力増強の「にんにく点滴」をやたらプッシュしているのが笑える。そもそもハゲと勃起障害専門の医者だったりするので、さもありなん。

4階まで来ると、ちょっとした屋外テラスのような空間があり、しばし外の空気を吸うことができる。新橋にサラリーマンが集結する平日の昼間に行っても本当に誰もおらず、まさに都会のオアシスのような状態。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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