当レポートは東京DEEP案内開始直後の2008年当時の西川口駅周辺の街レポとなっております。大規模取締によって違法店舗が壊滅し、中華街化する前の死んだような街並みがお楽しみ頂けます。
東京都心から埼京線に乗り途中の赤羽で京浜東北線に乗り換え、荒川を跨いだ埼玉の入口「川口市」を訪れた。古くは映画「キューポラのある街」にも知られ、鋳造産業を中心とした中小企業の集まる工業都市として有名な街だ。大阪で言えば、さしずめ東大阪や尼崎を彷彿とさせる。
今回訪れたのは中心地の川口駅の一つ向こう、「西川口」駅である。
この西川口駅周辺は、工業都市川口で働く労働者のための歓楽街として独自の発展を遂げてきた。特に性風俗関連店舗が乱立する関東有数の変態スポットとして超有名な街なのである。
2007年5月に出来たばかりという、JR西川口駅の真上に建つ商業ビル「ビーンズ西川口」がやけに場違いで、案の定、中の飲食店が続々撤退しまくっていて悲惨な姿を晒していた。一体、西川口の何が凄いかというと、これ。
「客待ち禁止区域」これが何を意味するかご存知だろうか。
西川口駅周辺には凄まじい数の性風俗関連店舗が軒を連ねている。
この看板はソープランドの客寄せが夜な夜な駅前にしゃしゃり出て客待ちを行う、その行為を禁止する看板なのだ!こんなもんが駅前にドーンと立ってるのは全国どこを探しても西川口くらいだ。
「この地域では、埼玉県迷惑行為防止条例により性風俗店または異性接待飲食店の客引き、勧誘、誘引などを目的とした客待ち行為が禁止されています」
駅のまん前にいきなりこんな看板がある「西川口」には一体どのような光景が広がっているのか!
関東屈指の欲望の密林「西川口」の真実を確かめるべく、西川口浩探検隊が行く!
まずは西川口駅の西口に降り立った。関東有数の巨大ソープランド街と言われる一帯は駅の北西側にあたる。
そこには「きれいな街 おいしい街 西川口へようこそ」と書かれた看板がこれ見よがしに掲げられている。
川口市や埼玉県は、行政まるごと重い腰を上げて西川口の環境浄化作戦に取り組んでいるという。それがなぜか「西川口をB級グルメの街にしよう」という、なんだかよくわからない町おこし作戦になっているのだが、それがどうも的外れっぽいのはこの後のレポートを見て頂ければ分かるだろう。
一生懸命作った「おいしい街」看板なのだが、胡散臭さが消えないのが西川口クオリティ。
だって、目の前がいきなりこれですもの。
伏字もなしに「バイアグラ」かよ!
西川口と言えばすなわち性風俗の街なのである。それはGoogleの検索結果にも如実に現れていて、そう簡単に消える事はない負のイメージ。そして実際に西川口の家賃相場は驚く程安い。京浜東北線で東京駅まで乗り換えなしで30分という好アクセスにも関わらず、同じ家賃の物件を横浜で借りるとワンルームでも、西川口なら2DKが借りられそうな勢いだ。これが埼玉の実力か!
いきなり駅前から韓国居酒屋があったりと、なかなかDEEPな趣のある街だ。
川口市は埼玉県でも最も在日韓国朝鮮人の数が多い自治体である。
工業都市に在日が集まったというのは、尼崎や東大阪などと同じ理由だろう。
西川口のコリアタウンっぷりは、のちほどゆっくりお見せしたい。
噂に聞いていたソープランド街だが、確かに店の数は多い反面、やけに閑散としているのが目に付く。
期待を裏切らない程度に店があると言えばあるのだが、まあ昼間と言う事もある。
風俗街のすぐ向こうは日本一小さな市で有名な「蕨市」だ。
川口市外に出るとソープランド街はぷっつり途切れていて、申し訳なさそうに「焼肉叙々苑」の店舗があるのみだ。
風俗店だけではなくテレクラもしっかりとございます。これが西川口です。
やっぱりこういう街は夜を見なければ、意味がない。そんなわけで日が暮れてから出直してみました。ますます怪しい夜の西川口。パチンコ屋のネオンサインが眩しいぜ。
しかし、やっぱり件のソープランド街は閑散としているのに変わりはなかったのだ。時折、店に入るか入らないか所在なげにうろついている男衆の姿が目に付く程度で。
ここの通りが西川口ソープランド街のメインストリートのような雰囲気だが、土曜日の晩という商売の掻き入れ時でさえこの静けさ。客待ちのボーイが暇そうに突っ立っている。不思議と声も掛けられなかった。
西川口の風俗街は、埼玉県警による大規模な摘発があり、本番行為をやらせる違法風俗店が一網打尽にされたという経緯がある。
ヤミの「本番行為」は通称「NK流」と呼ばれていて、遊びに訪れる男どもの間では常識的だったと言われている。
「NK」とは「西川口」のことだ。2005年に大規模なガサ入れがあり、それ以降西川口の性風俗店舗は壊滅状態になったのだという。
そして現在の西川口駅で最も目立っているのが風俗店舗の「廃墟」。
電車の窓からも、その「兵どもが夢の跡」状態の痛々しい廃墟を拝むことが出来る。欲望の密林「西川口」は既に死んでいた。
看板の店名に目張りがされているのも、きっと風俗店舗の名残りだったのだろう。
空きテナントはなかなか埋まる見込みがない。それは当然のことである。誰が好き好んで、こんな場所に店を構えようと思うものだろう。
風俗浄化作戦が、皮肉にも街そのものを死に至らしめる結果となったわけだ。
そんな西川口の夜は、とてつもなく暗い。
怪しげな焼き鳥屋から放たれる煙だけが、街の臭いを安堵に変えてくれる。
ただそれだけ。
そんな西川口、女性の一人歩きは非常に危険かも知れません。だからか知らんが「スーパー防犯灯」が町中に完備されている。なかなか物々しい。
参考サイト
壊滅から再生へ~埼玉・西川口~