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日本のパナマ運河らしい江東区扇橋 (2) 扇橋閘門

日本のパナマ運河などと呼ばれる江東区扇橋の「扇橋閘門」を見るために、住吉駅から歩いてやってきた。場所は小名木川に架かる小松橋。
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閘門もどんな立派なものだかと思うが小松橋自体もなかなか風情のあるトラス鉄橋である。昭和5年に架けられたもので、関東大震災後の復興事業で建設されたものだ。かなりな年季の入りも感じさせる。


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小松橋の手前から北側を眺めると真正面に東京スカイツリーが見えたりする所もポイントが高い。観光地化が進む押上・業平橋はスイーツ化激しく幻滅気味だが、粋な下町風景を容赦無く一変させてしまうような甘ったるい空気も、さすがにここまで及んではこないようだ。
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そんな小松橋を渡ろうとすると橋の西側にご立派な閘門様が姿を現す。これが日本のパナマ運河かあ。手前のぶっとい水道管?が邪魔でちゃんと見えないんですが。
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仕方なくギリギリまでしゃがみ込んで扇橋閘門の姿を拝観する。小松橋側は閘門の後扉になるらしい。荒川と隅田川を結ぶ小名木川のちょうど中央部分にこれがある。
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前後ともに真っ赤な扉を持つ扇橋閘門の勇姿。だいたいいつ行っても閉まったままだが、時々船舶が通行する時に、水位を調節しつつゆっくりと扉が開いたり閉じたりする。これはパナマ運河と全く同じ原理。
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…で、小松橋のたもとにも扇橋閘門の説明がバッチリ記された「江東みちしるべ」が設置されている訳だが、建設に5年余り、30億円を掛けて昭和52(1977)年に建造されたとある。なんだか頭の中で中島みゆきの地上の星が流れてきそうな話だ。
閘門を挟んで東側、つまり荒川側は水害の起きやすいゼロメートル地帯(江東デルタ地帯)で、旧中川流域を中心に豪雨災害が頻発する土地柄だった。そこで水害を防ぐ為にわざと1メートルほど水位を下げている。閘門ではその水位差ぶん川の水を上げ下げして船舶を通す役割を持っているのだ。
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閘門の扉付近に通航時間等が記された案内板がある。朝8時45分から夕方4時30分まで、日祝、年末年始は休みと、きっちりお役所仕事全開な閘門なのだ。川を交通手段にしていた昔ならともかく今ではそうでもないから、妥当なところか。
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さくっと半周して今度は前扉の見える新扇橋の上までやってきた。こっちは遮るものがないので割と視界良好。
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何度も閘門の前を通ったが、なかなか船が通り抜ける瞬間を目の当たりにする機会が意外になかったりする。
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前扉の裏手あたりに扇橋閘門の事務所がある。普段は閉鎖されているので一般人はもちろん入れないが、夏休みシーズンには一般開放日があるので、どうしても閘門が見たいという閘門マニアは要チェックである。
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一般開放日でもなければ閘門の全貌を見るのはなかなか厳しいものがある。すぐ傍らには申し訳程度に公園があるが、肝心の閘門は堤防と木に遮られてよく見えない。
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扇橋閘門から東側に進むと、小名木川と旧中川が、さらに荒川放水路へ合流する東大島駅近くの江戸川区小松川にも「荒川ロックゲート」という閘門がある。こっちは2005年完成で真新しく、同じように水位を上げ下げして船舶を通している。
地震や津波や放射能の脅威に晒され殺伐とした昨今でも相変わらず知らぬ存ぜぬで平凡そのもので暮らす下町住民の意識の外に、都民の生命を守る仕組みがきっちり生きている訳だ。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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