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荻窪駅北口に残る闇市発祥バラック密集地帯!「荻窪銀座街」 

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うらびれた路地裏バラック酒場もたいがい濃ゆいが、表側に並ぶ古い商店も時代の流れに逆らうかのようにその佇まいを留めている。何者にも染まらない意思すら感じられる戦後のドサクサ商店街は老朽化と再開発という現実が刻一刻と迫っている。

オールドスタイル全開な洋傘・履物の「紅屋」の横手から奥へ続く路地へ再び入り込む。居酒屋が本調子ではない昼間は殆ど人通りもない。

すると左手の壁にはこれまた年季の入った手作りの「見取図」が掲示されている。それが何とも味わい深い。店舗の案内も一つ一つ手作りのプレートが見取図の上に貼りつけられていて、店が変わる毎に対応可能となっている。

さらにツボなのが見取図の下に並ぶ店舗の広告。かつての映画看板職人のノリを感じさせる。色とりどりで手描きされたアナログ感全開の広告に街への愛情を感じさせてくれる。

それぞれに店の特徴を生かしたデザインになっている。こういうセンスって物凄く大事だと思う。街の没個性化に抗うようにいつまでも残って欲しいものだ。

で、先程の「鳥もと」の前までやってきた訳だが、この路地裏横丁には非常に分かりづらい場所に公衆便所が備え付けられている。

その公衆便所は「紅屋」の真裏と向かいの建物の隙間の訳の分からない場所に押し込められるように存在している。猫専用通路と見紛うばかりだ。酔っ払ってたら確実に気がつかないぞこれは。

…という訳で辛うじての案内としてトイレと書かれた張り紙が真ん前のポールに貼りつけられている。これが唯一の目印だ。

もしも荻窪銀座街で飲んだくれて尿意を催したら意を決してこの暗黒世界に飛び込む必要がある。昼間でも全く光が届かない。新宿のしょんべん横丁でももう少しトイレの場所は親切だが。

落書きだらけで雰囲気も凄い。こりゃ素人にはお薦め出来ない便所だな。さらにこの角を曲がった先に公衆便所の入口がようやく姿を現す。

だがここまで来た時点で相当凄まじい臭気が鼻腔を容赦なく襲ってくる。戦後の闇市から生まれた荻窪銀座街の真髄はまさしくこの公衆便所にあると言っても過言ではない。それほど強烈に臭いのである。

これが驚愕の荻窪銀座街・公衆便所の内部映像である。粗末な掘っ立て小屋のような建物は21世紀の日本に存在しているとは思えない衝撃を受ける。この位置からだと左側が小便コーナー、右側が大便コーナーとなる。

一体いつの時代の公衆便所なんだよこれ。当然ながら男女の区別もないようだ。

凄まじい臭気の源はこの小便コーナーだった。恐らく戦後のドサクサからタダの一度も改修せずにそのまま使っていると思われる。チーズや納豆といった有機物の熟成は小便でも起こりうるのである。まさに小便が何十年も蓄積・熟成を続けた芳しいヴィンテージ便所。

ついでに便器からしっかり具がはみ出した大便コーナーも公開しておこう。都合上一部画像処理をしておるが食事中の皆さんすみませんでした。荻窪銀座街でお食事される際は話のネタに一度試してみると良い。

東京最凶の公衆便所はここ荻窪の路地裏にひっそりと存在していた。それが今回の荻窪探索最大の収穫だった。まさしく「匂い」で体感する「戦後」がここにある。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。

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