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【悲劇】5人死亡の火災が起きた、さいたま市大宮区「大宮北銀座」の様子を見に行った

例年に無い異常寒波に晒され尋常ない寒さを迎える首都圏にお住まいの方々、如何お過ごしでしょうか。東京では48年ぶりに最低気温が氷点下4度台にまで下がり、さいたま市桜区では氷点下9.8度という異常低温を記録(2018/01/26)。あちこちカチンコチンになってしまいそうな毎日ですが、乾燥しやすい冬の季節、寒さからつい火の不始末を起こして火事を起こしてしまう危険性は誰もが持っているもの。

そんな中、先月2017年12月17日午後2時頃、さいたま市大宮区にある風俗店「Kawaii大宮」で火災が発生、店内にいた客と従業員5人が死亡するという痛ましい出来事が起こった。この火災が起きた場所というのが、埼玉県有数のソープランド密集地帯「大宮北銀座」(通称・北銀)の中にある店舗であった事から、ネット界隈ではにわかにザワついていて、犠牲となった従業員の女性の身元が晒されるなどの「二次被害」も起きている。

風俗店火災の現場「大宮北銀座」についておさらいしよう

ここで久方ぶりに「大宮北銀座」という地名が出て来たが、当取材班でも何度かこの場所には訪れている。明治から戦前の時代にかけて、表向きは「廃娼宣言」を行い遊郭の設置を認めていなかった埼玉県内において、この地でとして「乙種料理店」という名目で「達磨屋」とも呼ばれる飲食店の体裁をしながら、裏ではこっそりやる事はやっていたというものが、戦後になって赤線となり、売防法施行以後にソープ街に変わったのがこの地域の成り立ち。

大宮駅から北銀座に来る途中で必ずくぐり抜ける事になる大栄橋の高架下に「埼玉県特殊浴場協会」の事務所もあり。ほぼ放置状態で何の役割を果たしているか分からない協会のホームページもありますが現在「リニューアル中」になってます。

「大宮北銀座」はJR大宮駅東口から徒歩7~8分の場所にあり、大宮の外の街からも比較的アクセスしやすい立地にある。警察の取り締まりが厳しくすっかり寂れてしまった西川口を尻目に、なかなかの活況を呈している。

住所で示すと「さいたま市大宮区宮町四丁目25~29」を中心に特殊浴場の営業区域が決められており、約20店舗がこの一画だけにびっしりと密集する。規模で言うと吉原や堀之内、千葉栄町には遠く及ばないが、埼玉県内では大宮北銀座が筆頭格だ。

そしてこの大宮北銀座と呼ばれる一画のうち、大宮駅前からまっすぐ伸びた先にある「平和通商店会」沿いには、この胡散臭いネオン街を通らなければ家に帰れない地元民が大勢いて、何も遊客の野郎共ばかりがここを通る訳でもない。ごく普通に家族連れが行き来するという、ちょっと信じられない光景が日常茶飯事と化している。

いやあ、大宮なんてガラの悪い街に…と傍から見て思うのだが、埼玉の中で家探しをしている人間からすると、大宮ほど交通も買い物も便利な街はない、だから多少の環境の悪さには目を瞑る、という論理になるのだ。ええ、子供も普通に歩いてますけど…もしやボクも将来の北銀ユーザーになるのかな?

何の気無しに建ってる年代物の薬局もよく見りゃ「精力絶倫・PLAYBOY」のシンボルマークである動物「ウサギ」をモチーフにしたエスエス製薬のキャラクター「ピョンちゃん」を全面に押し出して「ウサギ薬店」と名乗ってるんだもの、笑いが止まらん。

エスエス製薬 ピョンちゃん ソフビ9種セット

平昌オリンピック開催期間中も大宮北銀座では「夜のピョンちゃんオリンピック」が365日24時間ずっと開催中ですのでここは一つ宜しくお願い申し上げます。

しかし、さすがに北銀座のど真ん中にはファミリー向け物件は皆無に等しくコインパーキングばかりか、せいぜい単身用マンションばかりなので、住民の多くはこの如何わしい通りを端から端まで歩く羽目になる。24時間誰かしら人が居て賑やかなので、逆にそう捉えれば治安の心配がそれほど要らないのだろうが、今回のような出来事があると今度は火災の心配をしないとならなくなる。

5人死亡の店舗「Kawaii大宮」は…

今回、5人死亡の火災を起こした店舗「Kawaii大宮」だが、奇遇にも火災前の建物外観を映していた写真があったので、当記事で公開する。外観を派手なショッキングピンクに塗りたくっていて「若作り」していたようだが、やはり周囲にある他の店舗と比べても一回り建物が古い気がしなくもない。当該店舗もソープ街成立直後の昭和40(1965)年に建てられたもので、既に築50年以上が経過している。


現行の風営法ではこのようなソープランドの店舗は新たに建て替えたり新築する事は認められていない事が殆どで、その事が老朽化した建物での営業を長引かせる事に繋がっていないかという指摘もあるが、大宮北銀座は埼玉県公安委員会から営業許可が下りている地域なので、建て替えや新築は無理でも増改築は可能な状態だった。しかし費用の面からその事を渋る経営者が多く、結果として火災の危険がある店舗での営業がまかり通る。

…どこかで聞いた事のある話だと思ったら、2015年5月に起きた11人死亡の「川崎日進町ドヤ街火災」で明らかになった、簡易宿泊所の違法増築状態が「費用の面で」野放しにされている構図とクリソツなのである。まさしく社会のどん底に生きる男と女、ドヤ街と風俗街は対を成しているように思えてならない。

火災後の「Kawaii大宮」外観。火元は3階建ての建物のうち、2階部分南側にあったゴミ置き場からの失火が原因とされている。窓も少ない密閉された空間では火の回りも早く、それ以前に一瞬で充満する煙を前に、逃げ場を失った客と従業員が次々と一酸化炭素中毒で命を落とす結果となった。

店の前に置かれた献花台には多くの花束と飲料類が備えられていた。今回、火災後数日してから、突然被害者5人の実名が報道されてしまっていて、従業員の女性の個人情報がネット上に拡散される事態にもなった。こういう場合でも「知る権利」とか言ってられるんでしょうか。やっぱりこの国のマスコミは変だ。

で、この店舗でも外観を見るだけで二階部分の防火扉が使用不能になっていて、以前は外階段かハシゴがあったものが取り外されて、所謂「トマソン」状態となって、避難路として使えなかった事が被害の拡大を招いたとの話である。火災発生時に駆けつけた救急隊は二階部分の防火扉を破壊した上で救助にあたったという。こういう建物って、ホント滅茶苦茶だな…

火遊びはほどほどにしましょう

吉原炎上
吉原ならぬ「北銀炎上」となった今回の火災を受けて、全国各地にあるこの手の店舗も設備の見直し、点検が進められているようだが、いつ何時自分が火事に遭うのかいちいち考えて行動できる人間なんて居ない訳で、死んでもいいから遊びたい程の末期的中毒者ならしょうがないですが、客も従業員も本来こんな場所で死にたくなんかないもんです。皆様「火遊び」はほどほどにしましょうね。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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