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家じゅう文字だらけの電波張り紙で覆われた禍々しい家…「羽田大鳥居電波住宅」

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2010年夏現在、相変わらずな佇まいを見せる電波住宅。再訪してみると、心なしか張り紙の類が種類を減らしているような気がしなくもない。2009年秋訪問時、そして2010年夏訪問時の電波住宅の張り紙群をいくつか掲載する。

相変わらず威嚇を続ける禍々しい「嘆きの壁」は健在であった。張り紙に限ってはやはりトーンダウンしている感じがする。最初に見た時はもっと多彩でギラギラしていたはずだ。

これが電波住宅の主による「タグクラウド」だろうか。「ウチ」が中央にあり、その周辺に並べられたキーワードには「砕」「切り」「倒」「崩す」「殺す」などのネガティブワードが散りばめられている。常に自らの周囲を脅かす存在に苛まれているかのようだ。

そして相変わらず意味不明な書きたい放題の張り紙群を見かける事が出来る。「鯉の洗いはお断り」とか何が言いたいのかさっぱり分かりません。

「噂通り病院送り引っ越しで片付くってなんですか。」とも書かれている。いつ病院送りにされるかも知れない、自ら置かれている立場を多少なりとも理解しているのだろうか。

日本語ばかりではなく英文まで達者な電波住宅の主。しかし一部分が掠れたりテープが上から貼られていたりしてちゃんと読む事が出来無い。バットボーイお断りだそうです。

敷地内の壁には地主の恨みが込められているかのような謎の紋様が描かれている。一体それが何を意味するのか、他人には推測する事すら許されない。

そして、家の周辺を走る自動車への攻撃の手を決して緩める事がない。この粘着力は「離れ業」。それにしても文字が無駄に丁寧なのが意外過ぎる。

もし地主の家の周りで敷地の壁に擦ったりしたものなら、こうやって名前や車のナンバーまで晒されてしまう。全くもって容赦ない。

ちなみに「こーぽ勝巳」というのは電波住宅脇の路地奥に建つ3階建ての賃貸マンションである。ここの住人は特に個人情報晒し攻撃の標的にされてしまっている。勝手に敷地に侵入されてしまったのか、こうしたトラブルが一度でもあると、何号室の誰々さんとまで具体的に晒されてしまうので注意が必要だ。

そして変わらず続く「ぱちんこ禁」の文字。それは投擲武器のパチンコを意味するのか、ギャンブルのパチンコを意味するのか定かではない。壁に投擲禁止とも書かれているので、おそらく前者だろうか。

どうやら2010年に入ってからも地元の悪ガキにトタン塀を足蹴りされるなどイタズラが絶えないようだ。近所にこんなもんがあったら、そりゃやられてしまうだろう。絶え間なく繰り返される電波住宅の悪循環。

敷地内にある離れにも容赦なく文章が刻み込まれている。建物の古さを見ても昔から代々続く地主であるには違いないようだが、一体いつからこんな事になってしまったのだろう。

英語や韓国語の看板も見かけた訳だが、今度の新作は日本語、英語、韓国語に加えてインドのヒンディー語やら訳の分からない言語まで書かれていて超多国籍化している。インド人とかが実際にここまでやってくるのかよ。

何か国語で書かれていても、メッセージは「中に入るな」という一点だけである。

さらには近隣の住宅地図(東京電力のもの?)までも、自らの敷地に存在しない道路が書き込まれていると抗議していた。とにかく自分の土地にただならぬ執着を持っている。まるでそこが最後の牙城であるかのように。

そして我々はとうとう電波住宅の主たる人物と遭遇してしまった。

おもむろに隣の散髪屋との境目に、右腕に巻いた大量のビニール紐を括りつけて「結界」を作り出す作業に蜘蛛の習性のごとく没頭する。

取材班の一人が果敢にも電波住宅の主に接触を試みようと真ん前の塀まで行ったのだが、「干渉禁止・立ち止まり禁止」の注意書きの前にどうすることも出来ず、そのまま戻ってきた。

部外者はこの敷地の外から生暖かく電波住宅を見守る事しか出来ないようだ。目の前を通りがかるカップルが電波住宅を指差して笑っていた。羽田大鳥居電波住宅の日常はこうして連綿と続いているのだ。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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