とある友人の誘いを受けて亀有に行こうという話になった。亀有と言えば週刊少年ジャンプを代表する長寿漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の舞台であるという事だけがやたら有名で、それ以外は何があるのかということについては記憶にない。
最寄りの亀有駅へは上野から常磐線に乗ると北千住駅で地下鉄千代田線ホームに各駅停車に乗り換えて来る必要がある。昼間の電車は1時間に5本しか来ないという、都内でもかなりアクセスの悪いエリアである。
駅前を出ると早速交番がある。北口と南口両方に交番はあるのだが、亀有公園前派出所というのは実在しないそうで。その代わり、亀有公園は実在する。
で、南口交番の前にこれ見よがしなポジションに置かれているのが、法被姿の両津勘吉像だ。
亀有といえばこれしかないのか、というくらい、町中に両さんが溢れている光景をこれから見る事になる。
同じ葛飾を舞台にした作品で、「男はつらいよ」にしても「こち亀」にしても、どちらも相当な長寿作品となっているわけだが、毛色は違っていても下町系人情ドラマという点では合致している。やっぱり下町住民はこういうネタが好きなんだねえ。
駅北口にも両津勘吉像が建っているのだが、こちらは「制服」でびっしりとした姿で出迎えてくれる。
祭り好きな両さんに見習ってか知らんが、たまたま亀有駅南口の商店街では盆踊りの櫓を組む作業の真っ最中だった。
東京の盆踊りというものをまじまじと見たことがなく残念なのだが、亀有の盆踊りで流される予定の曲目が書かれているのを見ると、やけにそそられる。
「葛飾音頭」「東京五輪音頭」「亀有音頭」…
盆踊り会場の目の前にある「葛飾伊勢屋」でこち亀土産が売られていた。この界隈はまさに「両さん様々」状態なようだ。
「こちらごちそう亀有101番」こと「ごち亀」なる飲食店。漫画作品一つでここまで街が一体になっているエリアもそうそうないと思うぞ。
街角でよく見かける「こども110番の家」の葛飾区バージョンも、やはり両さんなのだった。