カッペの憧れ「下北沢」 (1) 万年学生街

そもそも日本のマスメディアは特殊な事情があり、その機能が東京にだけ集中し、テレビを見ると東京の話ばっかりやっている。地方の人間は、東京に行った事のない人間ですら東京の地名だけはやたら知っていたりするものだ。
新宿、渋谷、池袋、上野、浅草、秋葉原、吉祥寺…
そして、東京のそれぞれの街に、それぞれの憧れや幻想を抱きながらやってくる。
下北沢」もそんな街の一つだ。
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小田急小田原線と京王井の頭線が交差し、新宿、渋谷、吉祥寺という繁華街から人の流れが集まる。明大と東大のキャンパスが近くにある。以上の理由で、下北沢には、東京に初めて上京してきた学生のたまり場として常に賑わってきた。
その下北沢を、高円寺と並べて「カッペが憧れる街」と表現したのはどこの誰やら。
高円寺と下北沢は、貧乏学生が古着を着て闊歩し、ライブを聴いたり酒を飲んだり色々遊ぶ所なのである。


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下北沢駅は小田急線と京王線の駅があるのだが、実はどちらの路線も同じ改札内にあり、初めて来る人間は少し戸惑ってしまうが、つまり小田急・京王間で改札を跨がずに乗り換えができるということでもある。
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まずは下北沢駅の北口を降りる。駅の改札が同じだったりして、駅の中からして随分窮屈さを感じてしまう場所だが、駅を降りても窮屈さを感じる。
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駅前ロータリーなんてものはなく、車も通れないような場所に人や店が密集していて、独特の空間を生み出している。
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駅を降りた先の商店街は、一見原宿の竹下通りにも似ている。狭い道幅の商店街に多くの買い物客とカッペ臭を漂わせる学生の姿がちらほら。もっとも特徴的なのが、道を歩いていても自動車が全くないということだ。あまりに道が狭いため、この界隈に車は入れない。
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そして下北沢と言えば街のあちらこちらにある古着屋の存在だ。どこぞの下町のようにババ服なんぞ置いていない。その殆どが貧乏学生向けに「安カワイイ」品物揃いとなっている。
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頭が鹿なのがよくわからんセンスだが、ちょっとオシャレ系?な服屋でも売られているものはせいぜい2000円台のものが多かったり。どこの店に行っても、ビンボーな女の子でも満足できるよう一式5000円で十分コーディネイトできるようになっている。
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安カワイイ系の古着屋に留まらず、アジアンな雑貨店にインド綿の服が掛けられているのもよく見る。高円寺の商店街もそういった感じの店が多い。
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一方、駅南口に出ても、狭い路地の商店街に窮屈に店が詰まっている様相は変わる事がない。休日ともなればさらに大勢の通行人で溢れかえる。
下北沢に憧れて住みたがる奴が多いが、家賃相場も高いし毎日人でごったがえしている道を通るのが日常になってくるとそれはそれで疲れるので、ひと駅ふた駅離れた所に部屋を借りておくのがベターな判断ではある。


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