東京DEEP案内の「四谷怪談ゆかりの地レポート」でもお伝えしたように、四谷の話なのに何故か西巣鴨というイレギュラーな展開で、あのお岩様の墓がこの妙行寺の境内に置かれているということを聞き、寺までやってきました。
妙行寺へは都電新庚申塚駅もしくは隣の西ヶ原四丁目駅から徒歩でどうぞ。
都電の駅を降りて目の前の道を歩く。都電沿いの街はどこを通っても都内とは思えない閑静な下町ばかりだ。
巣鴨の界隈も、やはり四谷と同じように寺がやたらめったら密集している地域で、この妙行寺の他にも数多くの寺がある。思えば「とげぬき地蔵」だって高岩寺という寺だし、もともと巣鴨という土地は寺町だと言える。
妙行寺の入口には「四谷怪談お岩様の寺」とご丁寧に筆書きで彫られた岩が置かれている。
同じく妙行寺には「うなぎ供養塔」や「魚河岸供養塔」という変わった供養塔もある。都内の鰻料理店や魚市場一同が建てたという。人に食われる運命の魚さんや鰻さんの命に感謝。「いただきます」という言葉には含蓄がある。
そして肝心の「お岩さんの墓」は寺の奥に進んだ墓地の一角にある。この妙行寺の墓地もかなり大きいので迷子になりそうだが案内板も丁寧にあるし、とりあえず直進しておけば間違いない。
墓地に入り直進した先に「お岩さんの墓」の由緒が書かれている。どこにも四谷怪談の祟りの話は書かれていない。
看板のある場所から逆コの字型に曲がってくると、その突き当たりの袋小路の奥に、ひときわ目立つ墓があった。あれがそうだ。
ついでに、両脇に並ぶ墓地にはお岩さんの親類である田宮家代々の墓も置かれている。
隅っこのほうに小さく「お岩様の墓」と説明書きのプレートが置かれているのがなんだかお茶目である。
実在した「お岩さん」はここ妙行寺の檀家だったらしい。その頃は妙行寺自体も四谷にあった。怪談とか祟りだとかそんなものは関係なく本当は貞淑な女性であったと言われているが、周りに立てかけられている卒塔婆に書かれた文がお岩さんが死してなお「祟りの伝説の女」であると言わしめんばかりの言葉で綴られている。
“日本テレビ放送網株式会社
午後は○○おもいッきりテレビ「あなたの知らない世界」”
“幽霊物件~呪われる家~
東京ドームシティアトラクションズ”
wwwwwwww
どうやら四谷怪談ネタでテレビや映画、遊園地のアトラクションなどをやるときは、必ずこの妙行寺のお岩さんの墓を訪れ供養をするのだという。
それはいいのだが、「呪われる家」とはタイトルが不謹慎すぎるw
ちなみに「東京ドームシティアトラクションズ」のサイトには「幽霊物件~呪われる家~」は書かれていない。どうやら2008年夏だけの期間限定のお化け屋敷だって。


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