高輪の山を登る (1) 泉岳寺裏手22%急坂

東京都港区というと、六本木や白金などですっかりセレブの街として名が通ってしまったが実は裏を見るととんでもないバラックが隠れていたり深い歴史が埋もれていたりと奥行きの深さを知ってしまうと街歩きがぐっと楽しくなるエリアなのである。
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品川駅にも近い高輪も同じく高級住宅地として知られる街だが、そもそも高輪は「泉岳寺」を代表とする寺町としての歴史を持つ地区だ。


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赤穂浪士が葬られている寺として知られる泉岳寺の参道にはわずかながら赤穂浪士ゆかりのでんでん太鼓を売る土産物屋が並んでいる。
店の前では年老いた土産物屋のおばちゃんがでんでん太鼓を鳴らしてお客の目を引こうとアピールしているが、爺さん婆さんがぽつんと居るだけで観光地というほどの勢いはない。
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泉岳寺から裏手を抜けるように高台になっている側へ歩いていく。前回訪れた品川駅高輪口至近の高輪四丁目界隈と同様、やはりこのへんの住宅地には急勾配の坂や階段が数多く点在している。
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泉岳寺南側にあるのは、なんと勾配22%の超急坂。
他にも都内に存在する22%超の急勾配は世田谷区岡本「用賀サンダーマウンテン(テレビ番組が命名)」の22%、豊島区高田「のぞき坂」の23%、大田区田園調布「五丁目の急坂」の26%など数箇所にしかない(→急坂選手権
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大都会の真ん中で登山が楽しめる、それが東京の魅力の一つです(笑)
おそらく50メートルくらいしかない坂道だが、結構体力を消耗してしまう。
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急坂の途中には永楽荘というボロマンションがあった。このへんの住民は目の前の急坂しか道がないわけだが、もし冬場に大雪や路面凍結などで道が塞がったらいとも簡単に陸の孤島と化してしまうことが容易に想像できる。東京暮らしも楽ではありません、ええ、ええええ。
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坂を登りきり高輪台小学校の前を通り抜けると高輪警察署などがある、高輪の町のメインストリート「二本榎通り」に出る。
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この道は高輪の丘陵地の尾根伝いに通る旧東海道の街道でもある。ここにも場違いなほど巨大な47階建てタワーマンション「高輪ザ・レジデンスタワー」が鎮座して下町で寺町でしかないはずの高輪に威圧感と高級感をもたらしている。
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高度経済成長、バブル期、いろんな時代を通り過ぎて、多種多様な「なんちゃってセレブ」を収容するためにこぞって豪華マンションが建設される東京都港区。しかしそうなる前のデフォルトがこんな感じの地味な下町的風景だったわけで。
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高輪の町を象徴するかのようなレジデンスタワーの目の前「高輪警察署前交差点」に建つ高輪消防署二本榎出張所の特徴的なレトロ建築が目を引く。
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今の消防署の建物は昭和8年に建設されたもので、消防署としては歴史的価値の高い建物である。元は高輪消防署の本署だった。
隣接する高輪警察署といい、ここが高輪の中心地と考えるのが妥当かも知れない。
さらにこの界隈を散歩してみることにしよう。

東京都港区
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