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駅前プチ九龍城砦「代々木会館」 (1)

毎日電車に乗って大量の人間が行き来する山手線の代々木駅前に誰にも見向きされずに廃墟同然で佇む怪しげな雑居ビルがあるという事を聞きつけて我々はやってきた。代々木駅は新宿駅の隣であるが、タカシマヤタイムズスクエアやサザンテラスからは目と鼻の先にあり、実質的には新宿の繁華街に繋がっている。
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そんな場所に「代々木会館」というプチ九龍城砦がある。建造時期はおそらく昭和20年代後半~30年代前半(1950-60)であると予測されるがはっきりしていない。1974~75年にテレビドラマ「傷だらけの天使」のロケにこのビルの屋上が使われていた事以外はあまり情報が出てくる事もない。
駅徒歩ゼロ分の地の利があるにも関わらずいつまでも取り壊されずに残っているこのビルの存在は、まさに都会の死角である。


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道路の向かい側から再びビルを眺める。6階建てになっている代々木会館だが、現在使われているのは1階部分にわずかに残る居酒屋と、3階部分の中国関連書店しかない模様。他にも鰻屋やら不動産屋、金物屋、ビリヤード店の看板がそのまま残っているがことごとく撤退している。
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2001年頃にはビルの建て替え計画があったそうだが結局取り壊し工事も何もなく放置されている。おそらく土地の所有権が複雑すぎておいそれと手を付けられないのではないか、ということ。
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ブッ潰れたままの1階飲食店部分。痛々しい姿を晒している。それでもほんの数年前までは営業していたようだが。
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ビルの端っこにある「代々木のんべえ横町・笠置酒場」という居酒屋だけはまだまだ現役のようである。というか、まともに使われているのはこの一店舗のみだ。
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目の前には潰れたパチンコ屋のネオンサインが埃を被りまくって灰色の姿を晒している。
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他にも数店舗、居酒屋が軒を連ねていたようだが、それらも全て撤退済み。看板だけが残り寂しいばかりだ。
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笠置酒場の上を見ると、壁には当時のビリヤード店などの看板がそのまま残されている。所々空調の室外機や衛星アンテナが残っており、見た目的にはやはり九龍城砦のそれを彷彿とさせる。
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上階を見るとそこには不動産屋らしき業者の電話番号が書かれている。4階から上は全くの廃墟になっており使われている形跡はない。6階建てに見えるが、実は屋上部分が建て増しされており、実質8階建て。
「傷だらけの天使」のロケに使われていたペントハウスはその建て増し部分にあたる。しかし下からその構造を見る事はできない。時折ロケ地マニアがそのペントハウス見たさに不法侵入する事があり、そのためか屋上部分もことごとく閉鎖されている。
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廃墟となったまま放置されているのをいいことに、ビル全体が鳩の棲家になっていた。壁という壁からは夥しい鳩の糞が垂れ落ちているのが見えるであろう。まさに魔窟の名に相応しい「代々木会館」。次は内部に潜入してみることにしよう。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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