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埼玉県春日部市 (2) 春日部市粕壁

現在、春日部市の中心市街地は駅西口一帯に広がっているが、本来の市街地だった旧日光街道沿いは駅の東口から北側一帯にある。

春日部駅西口から東武線の踏切を跨いで北側に渡る。この先の通りに面して昔ながらの古い商店街が今でも残っているが、寂れるがままに任せるような状態だ。



この辺の地名を見ると「粕壁」とある。春日部と同じ「カスカベ」の読みであるが、昔から二つの書き方が錯綜していたようである。
1944年の町村合併で名称を改めるまでは「粕壁」で統一していた為、東武春日部駅も1949年までは「粕壁駅」と表記されていたそうだ。
春日部の地名は鎌倉時代にこの土地を拠点としていた武家・春日部氏に因んでいる。

道沿いには古い日本人形の店。4階建てで、昔はそれなりに繁盛して立派な店舗ビルをこしらえたのであろう。
ちなみに岩槻(さいたま市)鴻巣なども雛人形を地場産業とする街として知られているが、埼玉県東部には日光東照宮の造営にあたった京都の工匠が留まって出来たという人形職人の街が点在している。

シャッターを下ろしたままの本屋の建物がそのままになっていたり、見捨てられた感が凄まじい粕壁宿の旧市街地。この付近は駅に近いので、潰れた商店に代わってあちらこちらに新しいマンションが建っている。

辛うじて店を開けているのが建物全体を蔦で覆い尽くした緑化住宅系園芸店。緑に囲まれて商売が出来るなんて凄く天職だろうが、それにしても人通りが少ない商店街だ。

もう一軒店を開けている時計屋も、店頭のディスプレイにある時計の広告が一体いつの時代のものだという古さ。セイコー・アベニュー、俺たちのTIME ZONE。昭和末期、今や懐かしい男闘呼組が出演していたCMである。タイムゾーンがズレまくりですね。

旧日光街道に近い辺りには相当築年数が経過したバラック家屋があっちこっちに残っている。トタン板萌えな東京DEEP案内取材班にとっては興味深くクオリティの高い街並みに思える。

寂れきってもはやどうにもならない状態の商店街の脇から、これまた怪しげな路地が伸びている。それは銭湯の入口だった。

「富士の湯」という銭湯へのエントランスとなっている路地の入口。やはり昭和の時代でタイムゾーンが停止してしまったかのような佇まいを見せている。

その路地の奥にはシャッターが閉まったままの富士の湯の玄関口が現れた。実はこの銭湯、春日部市最後の銭湯だったそうだが、あえなく2008年5月に廃業(→詳細

時の流れに逆らえず、昭和の風景は徐々に消えていくのである。ああ無情。

銭湯入口脇にはうち捨てられたかのように置かれている冷蔵庫。もう完全に廃墟らしくなっている。

富士の湯の玄関に向かってコインランドリーが置かれているが、こちらも扉が開け放たれたまま放置状態。ホコリを被ったままで、持ってきた洗濯物がかえって汚れてしまいそうだ。

コインランドリーに置かれているのは大抵アメリカ製の業務用乾燥機である。それもかなり古い型のものだ。どう見ても最近使われている形跡がない。

洗剤の自動販売機も昔のものがそのままである。「洗済売中止、お持ちください。」と日本語間違えまくりの微妙な張り紙が貼られたままになっているがそれも紙が風化して変色しまくっている。


窓際に置かれた小型洗濯機のうち何台かは辛うじて現役っぽく、電源が入っているのだ。今でも誰かが普段使いにこのコインランドリーを利用しているのだろうか。そうでなければ、閉鎖されていてもおかしくないし。

絶滅寸前の昭和の下町風景が残る、春日部市粕壁の旧市街地。
想像以上に見所が多い街だ。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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