解体寸前レトロビル「中野センター」に突撃 (1)

久しぶりに中野を訪れた。
中野と言えばサンモール商店街や中野ブロードウェイがある北口にばかり足を運んでしまいそうになるが、今回は南口を重点的に回ることにした。

沢山の人々が乗り降りする中野駅。北口と比べてやや活気に欠ける南口から少し歩いた所にある中野五叉路交差点に、一つだけぽつんとそびえる時代遅れな建物が人知れず佇んでいる。



それが「中野センター親栄会」と書かれたいかにも戦後のドサクサ的建築物である。見た目には昔の公設市場のような風情が残る物件ではあるが、老朽化も激しく、中のテナントも大方撤退済みで、まもなく取り壊されようとしている。
建物周囲を何故か高く取り囲む朱色のトタンが謎めいている。

五差路という変則的な交差点に建っているだけあって、その存在感は強い。表に描かれたお母さんと子供らしきイラストの笑顔がこれまた哀愁を誘う。

「センター」というだけあって古くから地元におけるショッピングセンター的存在として食料品店をはじめ色々と店が入居していたようだ。しかし今となってはほぼ廃墟状態。朽ち果てるのを待つかのような状態だ。

道路に面したスペースは居酒屋や小料理屋などが中心に入居しているが、近づいて見てみると建物の劣化具合の凄まじさに気付く。2階の窓の部分にも波トタン板が貼りつけられているのが見える。

角地には印鑑屋の看板が残っている。既に撤退済みのようで店の姿を見る事はできない。他にも雀荘や居酒屋などが店の形を辛うじて留めているが、かつてここ中野センターの上層階には「中野光座」という昭和の場末感全開なピンク映画館が存在していた。

裏手に回るとこのような感じである。窓が顔を覗かせているのを見る限り、高さは4階まであるのがなんとなく分かる。しかし上の階に登る階段は完全に封鎖されていて、中の様子を伺う事はできない。

封鎖された階段の横にはゴミ出しに関する注意を促す看板。色褪せてしまっている。

ちなみにこのビルに隣接する形で「ファミリー中野センター」という建物もかつては存在していたのだが、2009年の時点で見事に取り壊されてしまい、現在はただのコインパーキングと化している。ボディビルダー御用達だったというジム「中野ヘルスクラブ」などが入居していた。店の名前からして風俗店かと勘違いしそうになるが違う。
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隣の半分が取り壊され、残るこちら側も2010年内に完全に解体された後は15階建ての高層マンションに生まれ変わる予定だそうだが、せっかく見納めと言う事もあるので、中野センターの内部に突撃してみることにしよう。

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