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軍港・横須賀 (7) 若松飲食店街

英語でわめき散らす酔っ払いの米兵、hideがライブをやっていた外人バー、そんなどぶ板通りのカオスっぷりも横須賀の街のDEEPな一面であるが、そこで終わらないのがこの街の奥深さである。

再び横須賀中央駅前に戻り、今度は駅の東側一帯に広がる若松飲食店街に移動する。こちらはどぶ板通り周辺とは違って米兵の姿はなく、駅前から米が浜通りの手前に掛けての一帯に横須賀の地元民が飲んだくれる居酒屋やスナックが密集している。



区画整理すら入らないややこしい路地に飲食店がひしめきあう。雑居ビルの通路を抜け道に行ったり来たり。

道を抜けた先も迷路のように路地が入り組んでいて、さっき居た場所に戻ってくると言う事も珍しくない。この辺は小さなスナックばかりだ。

おそらく都内の盛り場であれば再開発で消えてしまっていそうな路地裏の光景が色濃く残っている若松飲食店街。しかもどの店も寂れておらずきちんと営業しているという所が良い。
横須賀には米兵ばかりがいる訳ではなく自衛隊関係者や関連産業で働く市民も多い。需要は無くならないだろう。

日が落ちると、スナックや居酒屋の明かりとかよわい街灯の明かりだけが頼りだ。昭和の魔窟とも呼べるべき空間が残る。

唐突に視界が開けたと思ったら、そこにはパチンコ屋の廃墟が痛々しく佇んでいる。やはりこの界隈も戦後のドサクサで生まれた闇市だったのだろうか。

潰れたパチンコ屋の前は、やけに広々と開けたコインパーキングになっている。ここを抜けると米が浜通り。

こんな怪しげな路地裏居酒屋街には、やっぱり韓国系居酒屋があるものだ。そして同じビルの上層階にはこれまたモロなピンサロが入居している。ギルガメッシュ(笑)

ふと目にした珍しい「自衛隊金融」と書かれた看板。軍都横須賀ならではのものだ。高田馬場の学生ローンみたいなもんか。見るからに怪しげなサラ金なのだが、こういうのがあると有り難がって銭を借りる奴もいるのだろう。

まるで迷路みたいな路地の作り、丸みを帯びたエントランスのスナック、その風景を見ると、どことなく玉の井の私娼窟を彷彿とさせるデジャヴに襲われそうになった。そのうち「ぬけられます」なんて看板が現れやしないだろうか冷や冷やしながら歩く。
もしかしたら昔は玉の井みたいに青線だったかも知れないな。

建物も街路もむちゃくちゃな若松飲食店街の路地をあてもなくさまよう。広さで言うと100メートル四方もない程の狭さだが、街並みがやたら濃い。

駅はどっち方面だと迷っているうちに、怪しさ爆発のスナック「ステーション」に遭遇する。手書きの看板が脱力感を誘う。テの字をよく見てみれば、菱形になっている。これはパンタグラフを表しているのかw

そんな「ステーション」の正面からは、やや広いめの街路に小さなスナック群が夥しく両側にひしめく見事な光景を拝む事ができる。もはや都内ですら絶滅しそうな場末の飲食街の光景が、横須賀中央駅前ではまだまだ健在なのだ。

街路に沿って歯ブラシの穂先のように細く長いバラックがびっしり連なるスナック群。これが横須賀に隠れたもう一つのDEEPな光景だった。侮れん街だ。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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