どうぞ、お好きなSNSで拡散して下さい

東京から一番近い無人島「猿島」 (1)

「離島」とか「無人島」と聞くと意味も無くワクワクさせられる子供じみた東京DEEP案内取材班一同であるが、実の所は東京近郊の離島というものを経験したことがなかった。
東京湾の中でも特に横須賀沖の浦賀水道にはいくつかの無人島が存在している。その中でも唯一航路が用意されていて一般人が立ち入りできるのが「猿島」だ。

横須賀港からも見える、東京湾唯一の自然の島。周囲1.6キロという非常に小さい島ではあるが、ここが東京から来られる最も近い無人島でもある。



猿島へは三笠公園の一角にフェリー乗り場があり、そこから行く事ができる。運賃は往復で1200円。1時間に一度出航しているが、島内での宿泊はできず、最終便までに帰りの船で戻ってくる必要がある。

少し春めいてきた3月の休日。こんな日にやってくると家族連れの姿ばかりが目立つ。無人島探検というよりはちょっとしたハイキングに出掛けるかのような気分だ。

船は三笠公園の岸壁からおよそ10分程で対岸の猿島に到着する。それまでしばしの船旅だ。

見る見る遠ざかる横須賀港。三浦半島独特の地形が作る横須賀の街並みが遠くから見渡せる。

三笠公園の岸壁に固定されている記念館みかさを海側から見る事ができる。現役時代のように海の上に浮かんでいるように見えるが、実際は地中にまるごと埋められているので陸の上から見るとミリオタには泣けてくること必至。

遠目に普段見られないアングルから米軍横須賀基地を眺める事ができたりして何気に見逃せない。かなりの数の団地が建っているのが分かる。

船の上から景色を眺めているうちに早くも猿島側に到着してしまう。島から伸びる長い桟橋を伝って降りる。

島は自然の宝庫と言わんばかりの姿を晒している。
東京湾にある離島の中で、自然の島となっているのは唯一猿島だけで、富津岬に近い第一・第二海堡といった島は明治時代に人工的に作られたものだ。いずれも明治時代以降に要塞の島として整備されていて、ここ猿島にも要塞時代の遺構がそのまま残っている。

人が近づけない岩場の上に野鳥が大量に止まっているのが見える。迫り来る自然に歓喜したくもなるが、それも束の間の事だ。

猿島に上陸すると目に付くのが、島の至る所に散策路やバーベキュー設備などが徹底的に整備されまくっている光景だ。
もともと猿島は要塞として整備されていた島で、その歴史的経緯から近年まで国が所有していた。現在のように整備されたのは1995年以降の事で、2003年には島全体が国から横須賀市に無償で譲与されている。
夏になると海水浴やバーベキューに訪れる客が多く、市街地に近いレジャー拠点としての趣きが強くなっている。正直かなり期待外れだ。

今ではやたら立派な案内看板まで置かれて「エコミュージアム猿島」などと書かれていて噴飯ものである。横須賀市よ、ちょっとこれはやりすぎだろ。

早速島の入口から要塞時代の遺構の一つである発電設備の入った建物が見えるが、危険と思われる箇所には徹底して防護柵が張り巡らされ、近づく事すらできない。

とはいえ要塞がそのまま残る無人島というのも東京近郊では猿島くらいしかない。島内を散策するため、奥へ進む。深い切通しの中央には、やはり立派な散策路が整備されている。

切通しの両側には煉瓦積みの倉庫などの遺構を散策路越しに見る事ができる。島内に張り巡らされた、家族連れでも車椅子でも動き回れる程、しっかりと作られた散策路。
要塞の島の風情をブチ壊しにしてまでも観光資源として生かすべきか、荒れ放題でもそのまま島を残しておくべきか、そこは意見の分かれる所だ。

The following two tabs change content below.
東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
トップへ戻る