どうぞ、お好きなSNSで拡散して下さい

田園都市線の異端児「溝の口」 (2) 溝の口西口商店街

再び田園都市線溝の口駅前にやってきた。戦後のドサクサで不法占拠されたままと言われる「溝の口駅西口商店街」。西口改札を降りると目の前がこれ。
64-55.jpg
まるで掘っ立て小屋のような手前のクリーニング屋の上に「お買い物は皆様の店 溝の口駅西口商店街」と書かれた看板がデデーンと立ちはだかる。首都圏で色々と駅前闇市商店街を見てきた東京DEEP案内取材班だが、この商店街のドサクサ具合は今まで見てきた中で群を抜いている。


64-56.jpg
闇市の風情を醸し出す主役とも言える駅前のクリーニング屋。商店街の看板を守るかのように構える建物はまさに戦後のバラック建築そのままのトタン張り。よく見ると飲み物やお菓子やパンまで売られていて、ちょっとしたコンビニ状態。何でもありの何でも屋である。
64-58.jpg
この西口商店街、2007年2月4日未明に不審火で火災が発生し、商店街の半分にあたる15軒の商店が丸焼けになってしまっている(→詳細
実はこの商店街の一部が川崎市の農業用水路の暗渠上に建てられた不法占拠物件で、建物の再建を川崎市側に認められていないため、焼けた跡は市有地として空き地のまま柵が張り巡らされていたり、緑地帯に変わっている。
64-57.jpg
しかし、南武線の線路に面する敷地の半分は今も健在で、西口商店街自体は無くなっていない。現在も多くの人々が駅に通じるバラック商店街を行き来している。
64-59.jpg
アーケードの手前に戦後のドサクサで残された産婦人科の古い電柱広告が隠れている。
64-61.jpg
立ち飲み居酒屋や食料品店ばかりではなく、古本屋も一軒存在している。
64-60.jpg
商店街には空き地がそのままの場所も残っているが、ここが不法占拠で再建を認められていない土地に当たるかどうかはよく分からない。
64-66.jpg
古本屋の隣では夕方から飲んだくれオヤジが集まる立ち飲み居酒屋が営業中。通行人の食欲を掻き立てるように、目の前で酒と焼き鳥を頬張るオッサン軍団。
64-62.jpg
さらにバラック商店街は八百屋の前でY字路となっている。左側に行くと南武線の踏切を跨いで街の南側に通じるため、通行人が多い。
64-65.jpg
八百屋の向かいでは政党ポスターの展覧会が繰り広げられていた。
そういえば火事で商店街が焼けた時に、再建許可を求める署名活動を商店街を挙げて行っていたそうだが、現在ではそういう類のビラは張られていない。結局、行政は梃子でも動かなかったのか。
64-63.jpg
商店街自体、元の半分になってしまっただけに規模が小さい。アーケードの終端にももう一軒、雑誌などを扱う小さな本屋があった。
64-64.jpg
アーケードを出た先にも溝の口駅西口商店街の看板がある。周囲はマンションが開発されて古い街並みが一掃されている中で唯一こんな風景が残っている、といった感じの場所だ。
64-67.jpg
南武線寄りにアーケードを抜けると、夕日に照らされた商店街のバラック建築が錆色のトタン板をなお色立たせる。
ちなみに不法占拠のため再建が認められていない土地だが、川崎市側が農業水路を水道管に改良した上で、土地を売却するという案が出されていたようだ。
しかしその方法でも川崎市側に多大な金が掛かる事、そして川崎市にとって不法占拠されている土地が溝の口だけではなく、西口商店街にばかり手が回らないという理由で放ったらかしにされているというのが現状のようである。
確かに川崎には曰く付きの土地が多いよな。池上町にしろ、市役所の前の東田町にしろ。

The following two tabs change content below.
東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
トップへ戻る
Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.