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市川市本八幡 (7) 再開発地区・八幡横丁<中編>

引き続き、再開発計画で跡形も無くなってしまう幻の商店街「八幡横丁」の様子を見て行く事にしよう。

八幡横丁は戦後に賑わった古い商店街で、商店主の高齢化で次々廃業する店が相次いで、最後は半分シャッター通りのような状態になっていた。かなり古い外観が際立つ商店の廃屋が、歴史を物語るかのごとく残っていた。



商店街の立ち退きを直前に、残った店の多くは最後の店じまいセールを繰り広げていた。ちょうど訪れた日が最終営業日だったので、かなり偶然の光景を見られる事になった。閑散とした商店街が、常連客と商店主の会話でしばしの賑わいを見せている。

最後の日まで店を開けていたのはオバ服、いや婦人服専門店と寝具の店。売り尽くしセールで一気に在庫処分を行っている真っ最中だった。

狭い路地の商店街の両脇に肩が触れそうなくらいに置かれる婦人服の数々。昔の下町ならどこででも見られた商店街の風景だったが、時代の流れで一つ一つ着実に消えようとしている。

八幡と言えば作家の永井荷風が終生を過ごした土地としてよく知られている。昔のバラック建ての商店がひしめき合う古い商店街の風景は、荷風が最後に日常を過ごしていた時代とさほど変わらないはずだ。

商店街の脇道にも細い路地が迷路のように走っている。おそらく戦後から区画整理も進まずに続いてきた土地だったに違いない。

蔦が壁面を覆ったオンボロ民家も既に人が暮らしている痕跡はなし。解体の時を待っているかのごとく佇む。

戦後のドサクサ臭が漂う商店街に来ると、どうしても店の隙間の怪しいスペースを覗き込みたくなる。人ひとりが辛うじて通れるような湿った路地の姿は、下町のはらわたとも呼べる生々しさを見せる。

客が集まっているオバ服屋が見えなくなってくると、商店街は他に開いている店もなく、ゴーストタウンそのもののシャッター通りに変わる。

下町の一角にフリースペース。LとRが違うが細かい事は無問題。だけど店の看板でスペルミスはちょっと恥ずかしい。せっかくロゴまで作ったのに。

解体されるのを待つ商店街の建物やシャッターのあちこちに、かつての商店主からの「閉店のご挨拶」が記された張り紙があった。唐突に脳内を流れる「蛍の光」のメロディ。

商店街としての歴史にあっけなく幕を閉じた「八幡横丁」。数年後には超高層マンションと複合商業施設として、没個性的なベッドタウンに生まれ変わる予定です。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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