高級住宅地・城南五山「池田山」 (1) トラヤマンション

目黒駅、五反田駅、大崎駅、品川駅と、山手線最南端にあたるこの付近は、高台に高級住宅街、低地には工業地帯と下町という対照的な街並みが拝める面白いエリアで、この付近の高台は「城南五山」などというブランドネームが用いられて高級住宅街として売り出されている。
城南五山とはそれぞれ目黒駅南東の花房山、五反田駅北の池田山、五反田駅北東の島津山、大崎駅東側の御殿山、それと品川駅南側の八ツ山の事を言う。しかし八ツ山は江戸時代に埋め立てや道路・鉄道工事の際に切り崩されて存在しないので、上大崎二丁目の高級住宅地「長者丸」が城南五山の一つだと勘違いされる事もある。
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そんな城南五山の高級住宅街の一つ「池田山」周辺を歩き回る事にした。池田山と言えば性風俗のメッカ・五反田駅の至近にありながら、美智子皇后の生家跡が残っているなど由緒ある住宅街として知られている場所だ。しかし住所は「東五反田五丁目」。
そんな街の外れに池田山公園がある。


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池田山の地名の由来でもある岡山城主池田氏下屋敷跡の奥庭を整備したという公園内は、公園というよりも庭園と呼んだ方が良さそうな造りをしている。
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庭園の中には変わった山野草が植えられていたり、なかなか風光明媚な公園な訳だが、一部のスピリチュアルな方々には「パワースポット」として知られる公園だそうで、富士山から送られてくる龍脈がこの公園に集まって皇居に流れているという話があるらしい。
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公園の大部分が斜面になっていて、底に池がある。殆ど山の中の庭園といった方が良い。パワースポットか何か知らんが、確かに心も休まるだろうし、休憩場所としてはもってこいの存在だ。
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池田山公園を出て高級住宅街の方へと向かう坂道を登る。総じて大邸宅街は丘の上に作られるものである。
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しかし坂の上に現れたのは高級という言葉からはおおよそかけ離れた超オンボロマンションだった。その名もトラヤマンション。建築年代ははっきりしないが外観からしてかなりキテる。
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少し離れて見ると、建物のコンクリートも黒ずんで風格を漂わせている。さらに屋上部分がちょっとした森のようになっている。あと10年くらいすると軍艦アパート顔負けの風情を出しそうな注目株だ。
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建物横手に回ってみる。地上3階建て(一部2階建て?)と地下部分に分かれている事が分かるが、表の道路に面した部屋は総じて生活感に欠ける。本当に人が住んでいるのかすら疑問に浮かぶ怪しげなボロマンションであるが、その先を見てみると…
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しっかりと洗濯物が干されているので、バリバリ現役の物件である事が分かる。ここは京都大学熊野寮なのか、朝鮮大学校の学生寮なのか、そんな雰囲気だ。賃貸なのか分譲なのか分からんが物件情報がかなり気になる。
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横っ面から見たトラヤマンション全景。なかなかの軍艦マンションっぷりで素晴らしい。コンクリート壁の蔦の伸び具合やベランダの鉄柵の錆び具合も建物に貫禄を持たせている。
こんなボロマンションだが、地下の駐車場にはベンツなど高級車が割と多く止まっている。こう見えても池田山だけにやっぱり高級マンションのはしくれなのか。
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試しに内部を見ようと思ったがマンションの入口から闇の世界なので、事情を知らずにやってくるとかなり勇気が要る。階段室でさえもこの佇まい。妖怪でも出てきそうだ。ヤバイ。ひとまずトラヤマンションから撤退した。
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ちなみにこの近所にも完全に森と化した個人宅が廃墟状態で放置されていたりする。東京ってこういう家が本当に多い。



東京都品川区
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