高級住宅地・城南五山「池田山」 (2) ねむの木の庭

JR五反田駅北側一帯に広がる高級住宅街・池田山界隈を散策する。
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池田山公園方面からやってくると見える超オンボロマンションを過ぎて住宅地に入ると、やはり庶民感覚からかけ離れた豪邸や高級マンションが次々現れ、ひたすら溜め息が出るばかりである。人・モノ・金が集まる大都会東京の実態を思い知らされる。


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その途中で、やたら世間離れした洋館が現れる。ただの豪邸ではないだろうと思ったら、インドネシア大使公邸だった。建物自体は昭和11(1936)年築で、旧鈴迺屋住宅跡をそのまま使っているそうだ。しかし鈴迺屋ってどこの店だ?
ちなみに、このちょうど裏側にはインドネシア大使館もある。
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インドネシア大使公邸を過ぎた先のT字路の突き当たりが「ねむの木の庭」という区立庭園になっている。ここが美智子皇后の生家、旧正田邸跡である。
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高級住宅街の一画だけがぽつんと開いて庭園になっているので知らずに通りがかると疑問に思ってしまう訳だが、区立公園なので開園時間内は誰でも中に入る事ができる。よく手入れされていて綺麗だ。
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園内には公園設立の経緯について書かれた碑文が一つだけ置かれている。淡々と書かれているだけで、さほど有難味もない。皇后陛下の生まれた家という重要な場所にしては、やけに扱いが寂しすぎるような気がしないでもない。
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この土地にあった旧正田邸は美智子皇后の父が他界したときに遺産相続の関係で兄弟に相続税が払えず国有地として物納され、その後競売に掛ける事となり、建物を保存せよという運動が展開されるも結局取り壊され、結局は品川区がおよそ3億円を出して買い取って庭園として整備、今に至っているそうだ。
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今ではひたすら平和な場所だが、正田邸解体が決まった2003年1月には抗議に訪れる右翼団体やマスコミが殺到して大騒ぎになった。今のように庭園となったのは翌年2004年8月の事。
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皇族に嫁いだ名立たる良家が暮らしていたという場所だけあって、周辺の家も一軒一軒やたら巨大過ぎて、相変わらず溜め息が止まらない。
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だが、一方で広々とした空き地も目立つのだ。旧正田邸も相続税が払えず更地にされてしまった訳だが、そんな事情は他の家にもあるようだ。買い手が付かないのか知らないが、放置された空き地が痛々しく残る風景は、田園調布三丁目でも見る事が出来た。
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さらにもう一ヶ所、広大な空き地があった。目の前にはブルーシートの海。
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居た堪れない気持ちで池田山の高級住宅街を抜けた先には、五反田駅へ通じる下り坂と、天理教の施設。白金台にも宗教施設が色々あったが、やっぱり池田山にもあった。
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下り坂に入る手前にも長らく放置プレイが続く廃墟マンションが立ち尽くしている。その名も池田山ビル。3階建ての古いマンションだが、入口と1階部分にびっしりベニヤ板が打ち付けられて、外部からの侵入を拒んでいる。
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確かに古い事は古いのだろうが、さっきのトラヤマンションを見てきた後では全然住めそうな感じがする建物である。どういう経緯で閉鎖されているのだろうか。謎である。
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駅にも比較的近いにも関わらずこういう廃墟が残っているのも変な話だ。
そのまま坂を下れば、一気に風景が俗っぽくなる。性風俗の街・五反田駅前の繁華街が広がっているからだ。
参考記事
旧正田邸

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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