江東区木場 運河と橋と釣船と

地下鉄東西線の木場駅を降りた。このあたりは深川と呼ばれる古くからの下町エリアであり、遠い昔に東京湾を埋め立てて作られた地域だ。駅を降りるとあちらこちらに運河が広がっている。

「生まれ浪速の八百八橋」の逢阪から見ると故郷が恋しくなるような運河の風景だが、木場を含めた江東区一帯は近年の人口激増で、至る所に新築マンションが建っているのを見ることができる。だがその一方で古い住宅地も沢山残っているのだ。


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また、その運河の道筋も単純ではなく、四方に分かれていたりと実にバラエティに富んでいる。汐見橋と東富橋が架かる川沿いには桜並木があり、春の季節にはさぞかし綺麗な風景を見せることだろう。下町にありながら、気持ちが和む街並みだ。
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そうそう、この橋の名前が「汐見橋」。
大阪にも汐見橋はあるが東京にもあったのね。
橋が架かる永代通りを西へ進むと門前仲町へ続く。
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もう一つの「東富橋」(とうとみばし)は小さな橋ながらもトラス橋になっており、レトロ感が漂う。その先には牡丹、古石場地区へと続く。
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途中の古市場川という運河は見事に埋め立てられていて、親水公園となっている。両側にはいかにもな新築マンションが並んでおり、そこには子供連れの姿を多く見かける。
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運河の一角にとある店を発見した。「釣船・屋形船」と看板を掲げた店である。そのあまりの自然な佇まいに、危うく気づかず通り過ぎてしまう所だった。
富士見」と屋号がついたこの店、深川でも歴史のある船宿なのである。
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確かに、そばの運河を見れば沢山の屋形船と釣船が係留されているのだ。
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やたら風情が漂いまくっているのだが、やっぱ下町はすげえな。
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ちなみにこの釣船は朝7時半までに店の前に行けば予約なしで利用可能らしい。興味のある人はお店に連絡して聞いてみよう。
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ちゃっかりそこに架かっている橋の名前も「釣船橋」だったりするので侮れない。
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さらにもう一つ運河を渡ると塩浜や越中島という地名に変わるが、倉庫が立ち並び生活臭のしない風景は変わらない。巨大な団地が建っていてびびったのだが、これは福山通運の社宅だった。会社の社宅でこんなに大きな建物を私は他に知らない。
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そんな場所をぽつんと都営住宅が建っていたりする。あまり住みたいとは思わないなあ。昼間でも人通りがないのに夜中ともなるとどうなるのかと想像すると。
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途中、水門を見かける。「平久水門」と言う水門。
縦横無尽に運河が走る木場エリアは多くの水門があり、水門マニア垂涎の地とも言われているそうだが、過去にタモリ倶楽部でも水門カメラマンなどを招き水門巡りツアーを楽しむ模様が放送されている。
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唐突に、土地の一角が緑で埋もれている場所を発見した。雲雀橋の南側にあたる部分だ。
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樹木が多い茂っている謎の一角にはこれまた奇妙な玄関が見える。どうやら民家があるようだが、注意深く見なければその存在に気がつかないだろう。
東京にはこうしたワイルド系緑化住宅が数多くある。住居の主がほったらかしにしたもの、もしくは好きで緑化しているもの、家一軒一軒にそれぞれのドラマがあるのだ。
我が東京DEEP案内でも見逃さずにレポートしたいと思う。

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