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昭和27年頃の街並みを再現・浦安市郷土博物館 (2)

まるっきり漁村だったかつての浦安の街並みが見事に再現されているという浦安市郷土博物館を訪れた。
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昔の浦安の街を舞台にした文学として知られるのは山本周五郎の「青べか物語」。その作中に出てくる、かつて実在した天ぷら屋「天鉄」の再現建物が屋外展示スペースの一角にある。


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山本周五郎と言えば馬込文士村にも住んでいた文人の一人で、実際に昭和初期に当時の浦安町に引越して約1年間生活してきた体験をモデルに書き綴ったのが「青べか物語」。
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再現された「天鉄」の店内。実際に山本周五郎が浦安在住時に店を訪れて天ぷらを食っていたらしい。
ちなみに神保町の古本屋で見つけて買ってきた「青べか物語」を読んでみたのだが、「浦粕町」「根戸川」などと若干名称を変えてはいるものの、昔の浦安の情景や、浦安弁と呼ばれる独特の言い回しがそっくりそのまま書かれている。
中には村人の情事など結構酷い事も書かれていて笑ってしまったのだが、街の記憶を留める文学作品の存在は貴重である。
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「天鉄」の向かいは銭湯の建物。しかし玄関側だけしか再現されておらず、ここからすぐ裏側は壁になってしまっている。しかし実際の古い銭湯は今でも堀江フラワー通りに「末広湯」などが現存していたりする。
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銭湯の脇には映画館の張り紙。かつて堀江フラワー通りには映画館もあった。今ではそんな事など想像すら出来無いが。
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あとは昔のホーロー看板の広告が街中の壁にベタベタ貼りつけられているのが見られる。
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一体いつの時代の広告なのか「光アル処ニ不純ナシ」と書かれたナショナルランプのホーロー看板。かなりなレアモノに違いない。
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他にはテレビモニターで浦安の歴史を調べられるコーナーがあったりするが、誰も使っていないのが寂しい所。なお、館内でレンタル出来るPHSを使って展示物の音声案内が浦安弁で聞けるサービスもある。
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一方で館内展示もかなり本格的なので見逃さずにチェックしていこう。今ではマリナーゼが暮らす高級マンションやディズニーランドになった土地も昔はこんな干潟地帯だった訳だ。想像できん。
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他にも浦安の漁師が使っていた道具などが展示されている。特に気になったのが女衆が使っていた「貝剥き」の道具。浦安では貝剥きが一人前に出来なければ嫁の貰い手がいないとまで言われるような土地だったという。
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そして最後に聴いていくべきなのが、実際の浦安弁が映像を交えて体験できる「ことばの収蔵庫」。話を聴いてみたが、何を言っているのか時々さっぱり分からなかったりする。
例えば「お前」が「いしゃ」だったり、当の浦安市民にも理解不能。文化的にも本当に陸の孤島だったのがよく分かる。いやはやなかなか面白い博物館でした。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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