杉並区和田にある立正佼成会本部には巨大な宗教建築が建ち並び、その様はまるで杉並のバチカン市国といったところだ。その中でも一際目立つのが円形の「大聖堂」。豪勢な宝塔がそびえるこの建物の前に来ると、その現実感のない独特さに圧倒されるだろう。これでこそ宗教建築らしい。
大聖堂の敷地東側に正面玄関が置かれている。特に信者でもない一般人に立ち入りが禁じられている訳でもない。やはり、のんびり街の写真すら撮らせてくれない某三色旗団体の本部とは大違いだ。
正面玄関には立正佼成会のスローガン。その向こうには大階段が待ち受けている。時間は昼過ぎと言う事もあって参拝者は殆ど居ない。
大階段を登るとその先が凄まじく豪華である。文殊・普賢・弥勒の三菩薩の絵が描かれた漆画が飾られているのだ。まさに聖地であると言わんばかりの姿だ。
その奥に大聖堂と聖壇が置かれていて、自由に参拝する事ができる。昼過ぎにやってきたので大聖堂への入口は閉じられていて、一般人が入れるのはここまで。
天井から壁やら窓やら、あちらこちらに置かれた装飾の豪華さは相変わらず目を見張るものがある。驚くのがこれが東京オリンピックと同じ昭和39(1964)年に建設されたものだというのだ。全く古さを感じさせない。
正面の窓から大聖堂の中を見る事ができる。大量に置かれた椅子、まるでロンドンのロイヤルオペラハウスを彷彿とさせる円形の聖堂、その中央には本尊を祀る聖壇。
巨大な聖壇の脇、円形ホールの上の方にもパイプオルガンが据え付けられているのが見える。建物内部が巨大過ぎるので遠近感が掴めないが、かなり巨大なパイプオルガンだ。ちょうど来た時に聖壇の幕が閉じられてしまったばかりで本尊の姿を見る事ができなかった。他にも大聖堂建立の経緯などが目の前に置かれたプレートに記されている。
大聖堂の外にはいろんな種類の蓮を栽培している広場がある。日蓮宗系の新宗教と言う事もあるし、蓮の花がトレードマークなのだ。
南無妙法蓮華経という題目も日蓮宗系のもので、「ナムミョウ」と「ナンミョウ」の発音の違いはあれど創価学会などと同じである。
冬場だったので蓮は花はおろか葉すらも出ていない状態。季節があんまりよろしくなかったですね。
敷地内にあった「カウンセリング相談室」の看板。某三色旗教団の本部をうろついた時と比べると、かなりオープンな感じのした立正佼成会本部ではあるが、信者数の規模も大きく政界に強い影響力を持つ教団の一つであることは他の大手新興宗教と変わらない。その割にはすこぶる地味な存在なんですが…
ちなみに立正佼成会は1938年に霊友会から分派独立した教団で、霊友会もまた全国規模の巨大組織となっている。本部も同じ東京の麻布台に置かれていて、そっちの建物もかなりインパクトがある。
立正佼成会本部の裏手が「聖堂通り商店会」というそのまんまなネーミングの微妙に寂れた商店街になっていて、そこにも教団関係の数珠や線香立てなどの道具を売る店が点在している。
まさしく宗教タウンと呼ぶべき街になっているが、この土地にあるのは何も立正佼成会の建物ばかりではない。キリスト教系の「救世軍」の施設も存在しているのだ。詳しくは別のページで。