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夢の快速艇トムキャットとは…行き遅れっぷりが半端無い昭和丸出し末期的リゾート「相模湖」で遊ぼう 

季節もいよいよ夏らしくなってきました。夏と言えばレジャーの季節とテレビのニュースでもそろそろ言い出しそうな時期ですが皆様如何お過ごしでしょう。やれ夏休みだ盆だという時期も近いが一般人のリゾートと聞いて思い浮かべるのは東京から結構離れた軽井沢だの那須だの箱根だの、あわよくば飛行機に海外へ高飛びというご時世。

交通網が充実した現代だからこそ遠方への旅行も気軽に出来る世の中となったがその一方で時代に取り残されて寂しい事この上ない姿を晒す東京近郊の「リゾート地」の存在は意外と多い。

我々がやってきたのは最近住所が「神奈川県相模原市」になってしまった中央本線の相模湖駅。東京近郊のレイクリゾート「相模湖」への玄関口だ。

まあそもそも来たきっかけが城山町にあるオウム菊池容疑者の潜伏先を見たついででしかなかったのだが、ともかくこの相模湖という場所が末期的過ぎて凄かったので今回レポートしたかった次第。

ここ相模湖駅は、すぐ隣にあるミシュランガイドの三つ星観光地にも選出されてハイヒールでも登れるカジュアル登山でお馴染みである高尾山への入口となる高尾駅からすぐ隣にあるのだが見ての通り寂れに寂れている。人間よりツバメの方が多い状況。

駅前の商店街も閑古鳥が鳴きっぱなしで、申し訳程度にスーパーや魚屋などが並んでいるが潰れた店も時折目にする。高尾から先に位置する山間駅なので致し方なしか。中央線一本(高尾乗換)で新宿・東京方面へは1時間で行ける場所だが電車は30分に1本ベース。ベッドタウンとしての発展は皆無である。

相模湖駅前を通る国道20号甲州街道は高尾まで14キロ、八王子まで20キロ、東京まで65キロという距離を示している。余裕で都内通勤圏だが行政上では東京都と山梨県に挟まれてここだけ何故神奈川県?といった場所。合併で相模原市緑区となったものの感覚的には神奈川の飛び地みたいな感じがする。山梨信用金庫の支店まであるし。

そうこうしているうちに駅から坂道を下りつつ10分程歩くと相模湖観光の拠点である県立相模湖公園に辿り着く。湖畔の遊歩道には七夕飾りが多数置かれていた。もうすぐ夏ですね(棒読み)

この相模湖、戦後の昭和22(1947)年完成の「相模ダム」により生まれた人造湖である。主に神奈川県の水がめとなっている場所でダムの水は下流の相模川に流れていく。東京五輪のカヌー競技会場ともなり現在でもボート競技が盛んで湖畔には相模湖漕艇場が併設されている。

平日の何もない時期に来たので相模湖公園には少数の釣り客しか居なかった。アオコの大量発生か知らんが湖全体が緑色で何だか汚そう。この相模湖の水が浄化処理されて900万神奈川県民の美味しい水道水となります。

そして湖畔には沢山の観光用ボートが係留されているのを見る事が出来よう。相模湖ではいくつかの業者が貸しボートをやっていてこれが相模湖観光のメインコンテンツとなっている模様。アオコだらけで炎天下の湖上を優雅に船上で楽しむ心の余裕なんてない訳だが。案の定ボートはどの業者のものも一隻たりとも動いていない。

しかしそれ以上に我々の目を引いたのがあまりに前時代的で行き遅れた感のある貸しボート業者のボート乗り場の建物だ。例によってこの辺りもたいがい閑古鳥が鳴きっぱなしで受付のオッサンが暇そうにぶらついている。

しかも挙句の果てにはこの看板。

「宇宙のロマンを秘めた 夢の最新鋭快速艇 トムキャット新登場!」

全くいつの時代の新登場なのか不明な干からびた壁直塗りの看板に衝撃。たかが貸しボートなのに「宇宙のロマン」とまで書かれているんですがどう反応すればいいんでしょうか。どうやら時代がアポロ11号やら大阪万博のあった昭和40年代あたりで止まっている。

宇宙へ羽ばたく輝かしい未来を待つまでもなくあくまで渋い顔のトムキャット乗組員。今はバリバリ21世紀ですが自家用車は空も飛んでないし宇宙旅行も出来ませんぜ旦那。まあでも最近の現実的過ぎて目先の事ばかり考えてあまりにロマンがなくなった世の中もどうかと思いますがね。

とどめに「レッツ・ボーティング」だもんな。とってもジャパニーズ・イングリッシュ。相模湖公園から漂う時代遅れな空気に完全にやられちゃいました。もう笑いが止まらん。

肝心の夢の快速艇トムキャット号はご丁寧にカバーを被せられて休眠中。これじゃあお楽しめないよ。宇宙のロマンもへったくれもない。

ボート乗り場の前を歩くとここぞとばかりに店員のおばさんが声を掛けまくってくるのだ。そりゃ閑古鳥だから余計気合が入るのかも知れんがどこぞの遣り手婆並みのしつこさである。「乗ってって!」「安くするよ!」矢継ぎ早のラブコール。いやあ、トムキャット号に乗れないなら別に要らないし。

相模湖観光の目玉である貸しボート・遊覧船はなんと6種類。大人数対応の遊覧船「くじら丸」からシンプルな手漕ぎボート、足漕ぎスワンボート、そしてトムキャット号まで。どうでもいいが写真の人間古過ぎだろ。多分昭和50~60年代の写真がそのままになってる。

さらに隣には別の貸しボート業者がド派手な看板を挙げて客の訪問を待ち兼ねている。凄まじい昭和っぷりでクラクラする。やはり客引きのマークが激しい。こちらはくじら丸じゃなくて「スワン丸」。丸ってのが凄く昭和臭くていい。

こっちは「新型足こぎボートサガシー」なるボートも。佐賀市?なにそれ?と思ったが「相模湖+ネッシー」から来ているネーミングらしい。そして「かるくて3倍走ります。」というのがシャア専用ザクか何かから取ったのなら経営者はガンダム世代だな。ああ昭和…

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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