芝浦四丁目のリバーサイド不法占拠物件!ホルモン屋が三軒並ぶ「芝浦高浜橋バラック村」

港区

急速に超高層セレブタウン化していく東京都港区のベイエリア芝浦に残る昭和の戦後ドサクサ物件を求めて街を彷徨っている我々東京DEEP案内取材班。とある方からのタレコミで、この芝浦界隈に強烈な物件があると聞いてきたので早速赴いてきた次第であります。

それは芝浦四丁目、芝浦運河の品川寄りに架かる「高浜橋」の北側両サイドに存在する数軒の住宅群。田町駅と品川駅のほぼ中間に位置している。

しかもそこでは近くの芝浦屠場から送られる新鮮なホルモンを捌いて出す昔ながらのオモニの焼肉屋があるという。即刻DEEPキムチアンテナ発動!

高浜橋北詰交差点にやってくると確かに焼肉屋ばかり数軒が立ち並ぶ奇妙な一角を見つけた。特に目立つのが「芝浦ホルモン」というそのまんまなネーミングの焼肉屋だ。店正面の青黄色赤のラインはやはり…と想像しそうになるのはいつもの悪い癖である。

しかも芝浦ホルモンの店舗の屋上部分を見るとさらに香ばしげな看板が掛かっているのが見える。

「夢広場 シーパラダイス」

横浜八景島の水族館に訴えられそうな店名ですが…

ソウル、東京はまだしもニューヨークは何の関係があるねんと(笑)

芝浦ホルモンの店舗を含めた施設全体を指すのだろうか。確かにパラダイスと言われてしまうとある意味探偵ナイトスクープ的なパラダイスを想像してしまう。基本的にあの番組で「パラダイス」という言葉を定義すると、地主のやりたい放題が芸術の領域まで高められる現象を言うのだ。

この店は非常に気になる。一度入店したかったが残念ながら昼間だったので諦めた。

芝浦ホルモン・シーパラダイス以外に焼肉・ホルモンの看板を掲げるバラック店舗が2つ存在している。歴史的経緯からしてこの場所が在日コリアン集住地であることは確かだ。

その2軒の店はいずれも初心者には入りづらそうな店構えの「はるみ」と「やまや」。昼間なのでやはりどちらも支度中。店の表にはバーベキューに使われたっぽい網が野ざらしにされているが、やはり営業時には青空の下で肉を焼いているのだろうか。夜に再度訪問する必要がありそうだ。

すぐ背後には超高層ビルが迫っており、老朽化が激しいこのバラック群もいつまで見られるかはわからない。出来るだけ早めの訪問を勧める。

焼肉屋密集地と反対側に来てみると、一部立ち食い蕎麦「ゆで太郎」になっているものの同様にバラック住宅が並んでいる。

バラック民家の裏手は比較的清潔に保たれている。ただの古い住宅か…と思って侮っていてはならない。橋の上からこれらの住宅を再度眺めてみればそのヤバさが伝わる。

建物の一部がなんと運河に張り出して建てられているのだ!一体どういう経緯でこんな建て方になったのだろう。

運河に張り出している部分は建物を支えるため材木で器用に支えられているのが見えるが、かなり朽ち果てて見るからに危険そうなのが分かる。

しかも手前の住宅は建物のど真ん中を巨大な鉄パイプが貫通しちゃっている。この運河のすぐ向こうには巨大な「芝浦水再生センター」があり、そこに繋がっている水道管ではないかと思われるが、上水道、下水道のどちらなんでしょう。気になります。

ちなみに橋の西側にあるバラック群も同様に水面に建物が思いっきり張り出しており、水道管が走っている。

見た限りバラックの建物半分くらいが水上に出っ張っている。半水上生活者かよ。しかし運河の底から土台を支える木材はいかにも頼りなさそうな印象を受ける。次に大地震が来たら間違いなくアウトやな。

橋のたもとにはもう一軒、民家兼喫茶店の存在がある。

「スナック&お食事 ブリッジ」

橋とともに生きてきた住人ならではのモロ直球なネーミングセンスだ。

そんな戦後のカオスを今に引きずる昭和遺産地区・高浜橋のたもとへ、今度は夕暮れ時に是非訪れたい。街が消える前に。

ちなみに芝浦高浜橋ホルモンバラック村へはタクシーで行くのが筋だが、どうしても電車で、という場合は京急・都営地下鉄浅草線の泉岳寺駅が最寄りとなる。


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