あの東電OL事件の舞台、情念渦巻く渋谷の花街「円山町」を歩く (2009年)

渋谷区

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渋谷駅から道玄坂の百軒店を経て、円山町のラブホテル街を過ぎれば、京王井の頭線神泉駅に近い住宅街の一角に差し掛かる。
しかし初めてこの場所を訪れたならば駅の場所を探すことにかなり手間取るかも知れない。東京独特の起伏の激しい地形もあるが、住宅密集地で入り組んだ路地の中、どこに神泉駅があるのかわからず迷っても何ら不思議はない。

しかも夜になってからだとなおさら意味不明なのがこの界隈の特徴だ。円山町方面から来ると、住宅街の途中から突然下り階段が現れる場所が駅への入口となる。この住宅街の真下に京王井の頭線のトンネルがあるのだ。

ビル3階分の下り階段、予想以上に一段一段が急な階段を下る。

下から見上げると、階段の様子が少し変なことに気づく。左半分はどうやら隣接するマンションの敷地のようであり、右半分は京王井の頭線のトンネルに沿って作られた階段のようである。

階段を降りた先の路地を曲がるといきなり神泉駅が現れる。

駅の前後がトンネル、むしろ駅構内の半分がトンネルにめり込んでいるという、どこぞの秘境駅でなければ見れない構造の駅がこんな都心のど真ん中に存在していたのだ。

神泉駅から渋谷方向へはすぐさまトンネルの入口にぶちあたる。

先ほど降りてきた階段へは「う回路」として案内表示があるものの、位置関係の把握が凄まじくやりづらい。

こんな奇妙な構造の駅なので「関東の駅百選」の一つに選定されている京王井の頭線神泉駅。

高級住宅街である松濤・神山町にも近いが、こんなところに住んでいるセレブは電車などという大衆の乗り物に乗ることはあまり無いであろう。田園調布のような郊外ではなく都心にある紛れもない超高級住宅地、麻生太郎氏といった超大物が住むような場所なのだ。

渋谷と吉祥寺を結び下北沢・明大前などを経由する路線は沿線の学生だけではなく多くのサラリーマンを乗せてひっきりなしに電車が走る。

トンネルの出口と駅ホームとの間にはこの踏切を跨いだ道路しかない。

神泉駅のホームは踏切の真ん前にあるため構内の様子が駅の外からでもよく見える。こういうのを見ると絶対誰かイタズラで登るもんだと想像するものだが案の定「ホームに上がるのは絶対おやめください」との注意書きがある。

ラッシュアワーの時は2分おきで電車が行き来する井の頭線だけあって「開かずの踏切」となる時間帯もあるようだ。踏切の前には「お急ぎの方は駅構内をご利用下さい」と案内が書かれた看板もある。

この神泉駅の真ん前に、「東電OL殺人事件」の被害者が住んでいた(もっとも、住んでいたというよりは売春部屋として使っていたそうだが)という喜寿荘というオンボロアパートが今でも建っている。このアパートの1階で首を絞められて殺されたという被害者。有名な事件であるにも関わらず12年も経つとみんな忘れるものなのね。

変わった構造で道路に面したアパートの半地下部分が居酒屋になっている。

建物を裏から見ると、アパートのボロ具合の凄まじさが実感できる。ちょうど隣がコインパーキングになっていてよく見えるのだが、肝心の101号室の窓だけが看板の裏に隠れてしまい様子を見づらい。

有名な事件の舞台であるが、今でも2階部分には人が生活している。事故物件でも家賃が安ければきっと好んで住む人もいるだろう。渋谷の隣の駅でしかも駅至近であるため常識的には誰もが喉から手が出るほど欲しい場所であるはず。

生活臭のする2階部分とは対照的に1階部分は闇の中に隠れてしまっている。人間ではない何かが出てきそうな気配すら感じる、そんな雰囲気だ。

ちなみにこの事件で犯人とされたのは、当時隣接する「粕谷ビル」に住んでいたネパール人。警察に捕まって無期懲役の刑が確定し服役中だが、冤罪説もあり本人からは再審請求が行われ、現在も一貫して無罪を主張し続けている。

また、冤罪説の根拠の一つとして、当時本人が勤務していた海浜幕張駅近くのレストランから神泉駅前のアパートまでの通勤時間の長さをアリバイの証明として主張している。

どうやらこの辺にもタクシー乗り逃げ常習犯がいるんだって。

いずれにしても大歓楽街である渋谷界隈は変質者も多いようなので治安的に不安。シャブピーの罪のツケが高そうな旦那も渋谷道玄坂の路上で白いクスリを所持していたところを警察に捕まったわけで薬物汚染の酷さは都内トップクラス。

人生は長い。一瞬の快楽のためだけにくだらない誘惑に負けて長いトンネルの中を彷徨うことになるのだけは避けたい所ですね(意味不明なまとめ)


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